[鬼滅] 逃げるが勝ちと私が言う (ページ12)

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第十一話／吉凶の決断ページ12

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「鬼に近い血をもつ少女、ですか」
と首を傾げる胡蝶に

「そんな人がいるのね…」
と眉を下げて悲しげな甘露寺

「嗚呼、幼いのに可哀想に…南無阿弥陀仏」
心配なのか同情なのか、涙を流す悲鳴嶼

「派手におもしれぇ！！俺様が最初に見つけてやる！！」
とうきうきしている宇髄

「………」
相変わらず無口で何を考えているか分からない冨岡

｢……(少女っていくつくらいなんだろう)」
と珍しく興味を持つ時透

「鬼ならば迷うことなどない、殺すまでだたとえ鬼でなかったとしても鬼になる可能性、鬼殺隊に害を成す可能性があるならば ((以下割愛」
多少いつもよりネチネチしている気がしないでもない伊黒

「鬼と、鬼殺隊の敵と決まった訳ではないだろう！！水ノ瀬の刀を取り戻すためにも俺は賛成だ！！」
少しズレているような……後輩を案ずる煉獄

「下弦如きにやられた挙句刀を奪われただァ？テメェの責任だろうがァ。人様に迷惑かけてんじゃねぇ、鬼殺隊辞めろよォ」
いつも通り厳しいことを言う不死川

しかし、不死川の言葉に隣の煉獄が反応した。

じーっと不死川を見つめる煉獄。
何を言われるわけでもなく、ただ見られている不死川。

睨むわけでもなく、ただただいつも通り笑った表情で不死川を見ていた。

「…事実だろうがァ」

「俺は何も言ってないぞ！！」

絶対に謝りはしない不死川だが、多少の効果はあったようだ。

反応、賛否様々だが、伊黒以外は明確な反対を示さなかった。

その後もそれぞれが話し合うが、御館様が人差し指を立てれば一気に静まった。

「小芭内の意見は正しいと思うよ。でもね、その子の捜索に上弦と、鬼舞辻自らが動いているようなんだ。」

この言葉には全員が息を飲んだ。

柱が幾人もやられ、１００年余り誰も倒せていない上弦
敵の親玉、柱ですら遭遇したことの無い鬼舞辻無惨

そんな精鋭が動いているということは、確実に何かあるということ。

「みんなの任務が誰よりも多いのは分かっている。でも、きっと彼女は鬼舞辻との戦いに影響すると思うんだ。……やってくれるかい？」

「「「「「「「「「御意」」」」」」」」」

御館様の問に、九人の柱の声が揃った。

この指令は乙(きのと)以上の階級の隊士に課された。

捜索に加われば、同じく少女を探す上弦や鬼舞辻に遭遇する可能性が高いからだ。

低い階級のものじゃ太刀打ちできない。

この決断が吉と出るか凶と出るか……それは誰にも分からない。