Episode91 ／ 性格は矛盾 ページ42
走り出して10数分ほど。
後ろを振り返ってみると、先程いた街はもうかなり小さくなっていた。
周りに誰もいないことを円で確認して、目隠しとフードを付ける。
蜘蛛の証は髪で隠れてたはずだから誰かに見られてることなんてないとは思うけれど。
『ははっ…やっぱり寂しいなー…』
さっきとは反対にゆっくり歩きながら呟く。
小さな弱々しい声は誰に聞こえることなく消えてしまう。
涙が出そうになり、鼻の奥がツンとする。
唇を噛み締めて空を仰ぐ。
セラはいなくなり、旅団から逃げ去りジンも私の元を去った。
大切な人は、みんな、いなくなってしまう。
『あー…私馬鹿だなー』
セラを殺したのは旅団の危機だったとはいえ私だ。
それに、旅団から逃げたのも私。
私に嘆く資格はないのだ。
もう、誰も傷つけなくないだけなのになー…
とぼとぼと歩いていると、横の路地裏から腕が伸びてきて引きずり込まれた。
｢…いひひっ…かぁわいい子みぃつけたっ｣
何この気持ち悪い人。
私の腕を掴みながら、私の顔に鼻息か吐息か激臭漂う生暖かい風がかかる。
ヨダレ出てるって…滴ってる…。地面に落ちてる音がするよ…？私の涙も引っ込んだよ…シリアスムードどこ行った
『…あの、何か用でしょうか』
でも私は偉いからね！笑顔で対応してあげる。
引きつってるのは仕方ない。だって顔から15センチ位のところに男の顔(ヨダレ付き)があるのだ。
｢君目が見えないのかぁ、ボクと一緒にいたら安全だよォ｣
まーったりゆーったり話す男にイラッてする。
私はそこまで穏やかな気分じゃないのだ。
引きつった笑顔で拒絶すると男は怒って私の右腕を強く握る。
私は左手で男の首を切り落とした。
『…握るなら左手でしょー。私左利きだもん。……あれ、もう死んじゃった。』
誰にも見えることの無い彼女の目は緋く染まっていた。
彼女の複数の性格は大きく矛盾している。
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k.k - 一人目の弟子……カイト？ (2020年10月5日 17時) (
レス) id: db3fbbd863 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - 美桜琉さん» コメントありがとうございます！読者様の反応が気になっていたので凄く嬉しいです笑モチベ上がります！頑張りますね~ (2019年8月2日 18時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - ほんっとうに面白いです、、、これからも更新頑張って下さい！ (2019年8月2日 18時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年7月21日 8時
