Episode74 ／ 正反対 ページ25
『ジーーーン！！いるでしょ！』
気配はする、なのにいくら呼んでも出て来やしない。
ジンが絶をしたら絶対見つけられない。でも気配を感じる、ということは私の近くにいながら絶を薄くしている。
挑発…
ならば、私が絶を濃くして隠れてしまおうか。
私はフェイタンに鍛えられたスピードで山を全速力で一周した。
ジンの本気のスピード見たことないからあの人なら着いてきそうだけど。
できるだけ死角になるような岩の陰に潜み、ジンを待った。
もちろん絶を濃くして。
その時、ふっと自分の周りがオーラで包まれて息ができなくなる。
すごいオーラ。まるで身体が押しつぶされそうなくらい。
ジンが私の近くで大きい範囲の円を使ったんだろう。
円は中心に近づくほどオーラが濃くなるから精度が高い。
でもそれはほんの1秒ほどのこと。1秒もなかったかも。
それでも私は息切れしていた。頭がぐらぐらして意識が朦朧とする。
改めて、ジンの凄さを痛感した。
ほんとに身をもって、って感じ。
それくらい物凄いオーラだったのだ。
私でもこのレベルだ、一般人なら生死彷徨うレベル…いや言い過ぎか、気を失うレベルだ。
｢…わりぃ、大丈夫か｣
岩にもたれてぐったりする私の前に屈んだジンは、私の頭をぽんぽんと撫でた。
その手が気持ちよくて目を閉じてされるがままになる。
ジンの手は暖かい、どこまでも私と正反対の人だ。
『…やっと…でてき、た』
｢悪かったから…ちょっと寝てろ｣
なんか優しい…
そう思ってると、きっ、と軽く睨まれた。
ジンってお父さんみたいなんだよなぁ
まぁ私お父さんとの記憶ないんだけど。
こんな感じだったのかな、って思ってしまう。
じわぁと目から涙が溢れてくる。
目隠しが濡れて気持ち悪いからフードと目隠しを取る。
蜘蛛の証をジンがガン見してたことなんて気づかない。
｢…泣くほど辛かったか…｣
ジンはそう言ってまた私の頭を撫でた。
『…違うし』
みっともないほど弱々しい声が漏れた。
『…ジンは、お父さんに似てる…』
｢…あいつに似てるっつーのは…んな嬉しいもんじゃねぇな｣
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k.k - 一人目の弟子……カイト？ (2020年10月5日 17時) (
レス) id: db3fbbd863 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - 美桜琉さん» コメントありがとうございます！読者様の反応が気になっていたので凄く嬉しいです笑モチベ上がります！頑張りますね~ (2019年8月2日 18時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - ほんっとうに面白いです、、、これからも更新頑張って下さい！ (2019年8月2日 18時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年7月21日 8時
