第八十四話 ページ39
`
※ 少々過激な描写が入るかもしれません。
苦手な方は、このページ下部と次ページと次ページ、全力スクロールでお逃げ下さい
静かな部屋に日天さんの嗚咽だけが響いた。
幾ばかりかして少し落ち着いてきた頃、悠叶さんが彼女に声をかけた。
「…お姉ちゃん、そろそろ時間が…」
「やめてよッ!!あんたにそんな風には呼ばれたくない」
「…っ、ごめん、なさい。…叶美さん」
キッ、と強く悠叶さんを睨みつけた日天さんは、立ち上がると外へと出ていった。
時間、って言ってたけどなんのことだろうなぁ
さっき少し離れたところにいた、数人の誰か、が関係あるのかもしれない。
さっきよりも警戒を強めて、扉をじっと見つめていれば、そこから入ってきたのは……
「ん〜俺たちすんごい待っちゃったよォ、叶美ちゃん」
「もっと早く呼べよなァ〜?こんな別嬪さんじゃあ待ちきれねぇって」
ニタニタと厭らしい笑みを浮かべた四人の男と、日天さん
「悪かったってば。まぁ、お詫びに好きなだけこの子、好きにしちゃっていいわよ。二度と男に近づけないようにね」
極限までズタボロにしちゃって?
艶やかな唇から吐かれた、残酷な言葉
たったそれだけでも、私の背を凍らせるには十分だった。
さすがの私でもそれが何を意味するかは嫌でも分かる。
さっきまで、ここに閉じ込められるくらい、とか考えてた私を全力で殴りたい。
頭に浮かぶは自分への暴言のみ
この状況を切り抜ける案は一つも浮かんでこない
「…自業自得よ、魁咲A」
恐ろしいほどの真顔で、私を呼んだ彼女は、悠叶さんに目をやると部屋を出ていった。
憎悪って、ここまで人を変えちゃうのか…
薄気味悪い男たちを睨みながら、ぼんやりとした頭でそんなことを考えた。
初めて会った時…
彼女の目は澄んでいた。
あの時から確かに、嫉妬しやすい子だし、猫かぶってるのは分かってた。でも、それを含めて日天叶美だと受け入れられた。
なのに今はもう……酷く濁ったあの目には、何も映らない
現実逃避とも取れる思考を終わらせた時、手の届く範囲に男たちはいた。
「こーんな可愛い女の子…めちゃくちゃに出来るなんてなァ」
ゴツゴツとした手が、直に肌に触れたことに全身に鳥肌が立った。
反射的にその手を蹴り除けるが、足を縛られている今、受身が取れず身体が横に倒れる。
2500人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キメツ推し - 面白かったです!パスワードを知りたいです (3月29日 12時) (レス) @page50 id: 267e3fd993 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったですパスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても面白かったです!パスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) @page50 id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
うらら - とっても面白かったです!パスワードを教えていただけると嬉しいです! (12月17日 22時) (レス) @page50 id: 5151e61b26 (このIDを非表示/違反報告)
えー(プロフ) - 面白すぎて一気に見てしまいました!パスワードを教えていただければさいわいです! (11月26日 21時) (レス) @page50 id: 9a652782c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白米 | 作成日時:2020年2月17日 22時