第七十六話 ページ31
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蝶屋敷から少し距離を置くようにして、早二週間。
最近、私の屋敷の鬼退治をみんながしてくれたから、私は自分の屋敷に帰れるようになった。
皆さんお忘れかもしれないが、私の屋敷の藤の花は枯れやすいので(偏見)、鬼が沢山やってくるのだ。
無一郎いわく、“鬼ヶ島”
まあ森に囲まれた小高い山、というか丘?みたいな所にあるから、島に見えないわけでもないんだけども。
今日の任務は、冨岡さんと。
あと一刻ほどしたら屋敷を出れば問題ないかなあ。
一人で暮らすには寂しすぎるくらい大きな屋敷。
影柱時代から使わせて頂いてるのに、全く生活感がない。
強いていえば、鬼が荒らした形跡が少々あるかな、程度だ。
陽の当たる縁側にごろん、と仰向けで寝転んだ。
腕を目の上に乗せれば、色々な思いが溢れてくる。
この2週間、私はことごとく柱のみんなを避けてきた。
蝶屋敷へはもちろん、いつも泊まらせて貰ってる他の柱の屋敷にさえ近づいてない。
理由はもちろん、日天さん
脅しに屈したわけじゃないけど…もし、鴨丸のような犠牲者が出たら
そう思うと、やっぱりみんなと距離を置くのがいいと思った。
しのぶちゃんと蜜璃ちゃんにだけ、このことを話したけど、何となく他の人も分かってくれてるみたい。
私の意思を尊重してくれている。
でも……そろそろみんなに会いたいなぁ
毎日毎日、私は夢を見る。
家族とすごした日々
鴨丸とすごした日々
柱のみんなや、後輩たちとすごした日々
辛いこともあったけど、やっぱりそばにある誰かの温もりが暖かくて
幸せで
だから、その分
起きた時に、周りに誰もいないことが
どうしようもないくらいに寂しくて、辛くて
死にたくなる
でも、不死川さんに怒られたから
何のためにかなんて分からないけど、今はとにかく我武者羅に生きようって決めた。
『…はぁ……気合い入れなきゃ。』
腕を退けて、太陽を見れば、今日も何もかもを照らすように明るく輝いていた。
両頬をバチンと叩いて、身体を起こす。
すると、カァーッ、とタイミング良く烏が飛んできた。
『あー、えっと、
鴨丸以外に、鎹鴉なんて要らないと言った私には正式には鴉はついてない。
それでも何かとよく私の元に来てくれるのが、雪麿だった。
飛んできた鴉は、ちょこんと縁側に座ると加えていた紙を目の前に落とした。
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キメツ推し - 面白かったです!パスワードを知りたいです (3月29日 12時) (レス) @page50 id: 267e3fd993 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったですパスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても面白かったです!パスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) @page50 id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
うらら - とっても面白かったです!パスワードを教えていただけると嬉しいです! (12月17日 22時) (レス) @page50 id: 5151e61b26 (このIDを非表示/違反報告)
えー(プロフ) - 面白すぎて一気に見てしまいました!パスワードを教えていただければさいわいです! (11月26日 21時) (レス) @page50 id: 9a652782c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白米 | 作成日時:2020年2月17日 22時