第十一話 ページ12
’
「Aさん!!!」
『…アオイちゃん』
ガラッと、開いた扉から入って来たアオイちゃんは、大きく目を見開いて涙を流した。
そしてそのままどこかへ行ってしまった。
え。
一人残された私とは…
とりあえず動こうにも、靴がないので大人しくベッドに座ってぼーっと扉を眺めてみる。
すると、ドドドッと凄い音がして見覚えのありすぎる人が入って来た。
夢と、同じことが起きてしまうのかな
臆病な私は、みんなの顔を見ることが出来なかった
「何をやってるんですか貴方は!!」
突然の怒鳴り声に思わず肩を大きく揺らす。
「私たちに黙って勝手に任務に行くし、自分を身代わりに後輩を庇って怪我まで負って、挙句の果てには二週間も目を覚まさない!!」
しのぶちゃんの剣幕に、私は声を出すことも出来ない。
二週間、私は寝続けてしまった。
その間、誰が私の任務を代ってくれたんだろう
忙しい柱のみんなが、私の任務までやってくれたのかもしれない。
考えれば考えるほど、情けない自分に腹が立って、みんなの目を見れなかった。
肩で息をするしのぶちゃんが、そっと私の名を呼んだ。
「A」
恐る恐る顔を上げれば、泣きそうなしのぶちゃんと、少し安心したような宇髄さん、冨岡さん、無一郎がいた。
『しのぶ、ちゃ』
名前を呼び終わる前に、私の体はしのぶちゃんによって抱きしめられていた。
「心配したんですからね…っ、」
ぎゅうう、っとしのぶちゃんが力を込めると、傷口がズキズキと傷んだ。
でも、それよりも、心配かけてしまったという罪悪感から痛む、胸の方が痛かった。
「自分も任務がある癖に、寝る間も惜しんでお前を看てくれたのは胡蝶だぜ?もちろん俺もだ、派手に感謝しやがれ!」
「…勝手なことをするな」
「次一人で任務に行ったら縛るからね。」
ろくに任務もこなせない、不甲斐ない私を誰一人として責めない、みんなに涙が溢れた。
『本当、に…ごめんなさい』
夢に出てきたみんなは、心の中の私の恐れが創り出した
こんなにも優しい人たちが、あんなことを言うなんてこと、天地がひっくり返っても有り得ないから。
ー ー ー
沢山の評価、お気に入りありがとうございます!
のんびりですが、ゆったり更新していくので気長に見てくださると嬉しいです
コメント大変にやにやしながら見ております…返信遅くなってすみませんんん
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廣岡唯 - みさにしましたよ (11月15日 14時) (レス) @page15 id: 4e412208c6 (このIDを非表示/違反報告)
漓流芭 - 悪女を 無粋実(ぶすみ)にしました WW草越えて土WW (7月11日 0時) (レス) @page50 id: 7a2db06ea4 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 私、悪女の名前「悠魔(ゆうま)にしました!でもなんかこの名前嫌だったので変えました〜 (2022年8月10日 10時) (レス) @page4 id: 4fd94a1d21 (このIDを非表示/違反報告)
リータ一 - 悪女の名前を饒舌留 生五味(しゃべる なまごみ)にしたWW (2022年5月13日 19時) (レス) id: 52c0e09012 (このIDを非表示/違反報告)
ラト - え?まって十三話のやつ、冨岡さん...かっこいいかよッ!!!((←そこじゃないだろ))私悪女の名前“琉涅”(るね)にしたけど途中から自分でもなんて読むのかわからんくなったww (2020年10月31日 20時) (レス) id: 8c4c38e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろりお | 作成日時:2020年2月1日 12時