検索窓
今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:168,320 hit

6 ページ7

「理鶯くん?」


私はぎぎぎと音を鳴らして頭を回転させる。
そこには超絶不機嫌な顔をした理鶯くん。


「小官のものを壊すというなら、こちらも全力で対抗しよう」


スパイシーな香り。
またカレーかよ、なんて考えはSー1並に直ぐに消えた。
彼の右手にはマイク…ヒプノシスマイクが握られていた。


「おうおう、誰に向かってマイク向けてんだァ? あぁ?」

「おい、やめろ! 理鶯、誤解だ!」


警察官さんは顔を青くして言う。
ヒプノシスマイクは攻撃されると精神を干渉されてしまい、下手をすれば死ぬと言う。
結局殺されるのかよぉ。
そう思った。しかし、私はめげなかった。こんなタバコ臭い所で死んでたまるかコンニャロウ!


「理鶯くん、落ち着いて!」


私は咄嗟に手を広げて彼の前に立った。
うひゃー、顔面整ってるのに怖すぎィ!


「退いてはくれないか」

「ダメです。それ、私に貸してください」

「こんな危険なもの、渡すわけにはいかない」

「…私、無意味な争いを起こす人は嫌いなんです。だから貸して下さい」

「…しかし」

「じゃぁ、使用しないでください。私、本当に嫌になりますからね」


可愛げある声で私のために争わないで! と言ってみたかったが、生憎、そんな余裕はなかった。


「…愛しい人の願いだ。受け止めよう」


にこりと微笑むその表情は少し怖かった。
後ろではため息と舌打ちをする音が聞こえる。


「すぐにカレーの用意をする。待っていてくれ」


彼は私の額にキスを落としてすたすたと上機嫌にキッチンへと戻った。


「しっかりしてんじゃねぇか」

「助かりました。ありがとうございます」

「いえ! …理鶯くんがあんな顔するの初めて見ました」

「あんな顔をするのはバトルぐらいですよ」

「おい、女」

「は、はい! なんでしょ…これは?」


机の上にするっと一枚の白い紙。
後ろをめくれば“碧棺左馬刻”の文字と電話番号が書かれていた。
彼いわく、何かあればそこに連絡しろとのことだ。
それはつまり、先程のようなことがあった時用、という事なのだろうか。


「わざわざありがとうございます」


責任として指詰めろぐらいは言われるかと思ったけど、良かったぁ。
しかし、未だ生きた心地はしない。

7→←5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (286 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
458人がお気に入り
設定タグ:ヒプマイ , 毒島メイソン理鶯 , MTC   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あずま真太郎 - 完結おめでとうございます!(*´ω`)オメデトー 更新を毎日楽しみにしていたので複雑な気分ですが()毎日楽しませていただいてました。お疲れ様でした! (2019年1月23日 7時) (レス) id: 9ab5b26630 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - シルクルさん» ありがとうございます!!嬉しい気持ちでいっつぱいです(涙 頑張ります!! (2019年1月23日 6時) (レス) id: 6c48c3ca2f (このIDを非表示/違反報告)
amro(プロフ) - 完結お疲れ様でした。最後まで理鶯の異常な所がえがかれてて良かったです(^^) 素敵な作品ありがとうございました。 (2019年1月23日 3時) (レス) id: 18748080be (このIDを非表示/違反報告)
シルクル(プロフ) - 燐さん» めちゃくちゃ分かります。彼は根っからの一途というのが私の解釈で、解釈違いが起きてなくてとても嬉しいです! 短編小説の更新頑張ってください! 素敵なコメントをありがとうございました! (2019年1月23日 2時) (レス) id: 53fd95a37d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新毎回楽しみにしています!!私の最推しはもちろん(?)理鶯さんですストーカー気質という発想がすごいと思いました!!ヤンデレとかもうおぉ。って感じです(伝われ!)これからも応援してます!! (2019年1月22日 22時) (レス) id: 6c48c3ca2f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シルクル | 作成日時:2019年1月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。