ストーカー気質【Crazy M】

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｢Aは小官のことを愛しているか？｣

｢愛してるとかじゃないかな…あ、うん、好きだよ！ 好きです…｣


威圧感が感じられて、口走ってしまった。
人としては好きだし、嘘はついてない。…はず。


｢そうか。それは嬉しい｣


声色は穏やか。
怒らせてはいないようだし、三郎くんとの計画を果たせそうだ。


｢だが、A。少年に言われなかったか？｣

｢え、な…な、何を？｣

｢“小官にはあまり近づくな”と｣


ヒュッ。息が止まった。
何で、その事を知っているのか。
私の手は震えが止まらない。


｢…手が震えているな。寒いのか｣


私の両手を彼の大きな両手で包み込む。
硬く、暖かいその手は不安を煽るものだった。
怖くて、怖くて、涙も出そうで、それでも私は平然を保とうと試みた。


｢…大丈夫です。ありがとうございます｣

｢あぁ、そうか。…小官と離れるのが辛いのだな｣

｢え｣

｢少年と明日の三時に出て行くのだろう？ 大丈夫だ。Aは小官が必ず護ってみせる｣


む。もう今日の三時か。
なんて言いながら家の掛け時計を見る。
なんで知ってるの。この人は何処まで知っているのだ。何故、知っているのだ。
もしかして、まだどこかに盗聴器が付けられていたのかもしれない。
そしたら、何処に。
あの時は携帯も鍵も全て家に置いてきたはず。


｢A、大丈夫だ。小官がずっとそばに居る…｣


もうこの人からは離れられないのかもしれない…。

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