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「さて、A。夕飯はどうする」
彼の人の暖かみに触れたあとだからなのか。
自然と彼の顔を見れた。
…が、やはり怖いものは怖く、彼の目は見られなかった。
「あ、はい。食べます…山田三郎くんはもう食べたのですか」
「いや、これからだ」
「じゃぁ、皆で食べましょう」
笑顔でなんとか乗り越えられた。
悟られてはいないはず。
キッチンへと入って行った彼を確認し、息を吐いて脱力した。
「玄関に一つ。寝室に二つ…」
「え?」
「…お姉さん、変な人に好かれてるんですね」
可愛らしいオッドアイが鋭く光る。
この子はこの異常な行動について何か知っているのか。
「…何のこと?」
私の隣にはあのお守りがあったために本音は言えなかった。
言ってしまえば、きっと。いや、絶対にあの世行きだ。
「お姉さんも薄々気づいてるでしょう? …安心してください。約束は必ず守りますから」
僕も手伝います! そう言ってキッチンへと向かった。
含みのある言い方。ここへ来た意味が他にあるのか。
しかし、私の脳で正解を導くには些か情報が足りなさすぎる。
私は缶コーヒーを飲んで、頭痛を抑えた。
────
「小官は少年を甘く見ていたようだな」
「…何のことですか」
「“あそこ”から彼女へ告げ口。それは小官に対する宣戦布告ということでいいのだな」
「さぁ。毒島さんの言っている事、僕には理解できませんね」
「タイムリミットは三日間だ。…それまでは手を抜いてやる」
「それは…嬉しいハンデですね」
メインディッシュを運ぶ敵の後ろ姿にそう吐き捨てた。
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あずま真太郎 - 完結おめでとうございます!(*´ω`)オメデトー 更新を毎日楽しみにしていたので複雑な気分ですが()毎日楽しませていただいてました。お疲れ様でした! (2019年1月23日 7時) (レス) id: 9ab5b26630 (このIDを非表示/違反報告)
燐(プロフ) - シルクルさん» ありがとうございます!!嬉しい気持ちでいっつぱいです(涙 頑張ります!! (2019年1月23日 6時) (レス) id: 6c48c3ca2f (このIDを非表示/違反報告)
amro(プロフ) - 完結お疲れ様でした。最後まで理鶯の異常な所がえがかれてて良かったです(^^) 素敵な作品ありがとうございました。 (2019年1月23日 3時) (レス) id: 18748080be (このIDを非表示/違反報告)
シルクル(プロフ) - 燐さん» めちゃくちゃ分かります。彼は根っからの一途というのが私の解釈で、解釈違いが起きてなくてとても嬉しいです! 短編小説の更新頑張ってください! 素敵なコメントをありがとうございました! (2019年1月23日 2時) (レス) id: 53fd95a37d (このIDを非表示/違反報告)
燐(プロフ) - 更新毎回楽しみにしています!!私の最推しはもちろん(?)理鶯さんですストーカー気質という発想がすごいと思いました!!ヤンデレとかもうおぉ。って感じです(伝われ!)これからも応援してます!! (2019年1月22日 22時) (レス) id: 6c48c3ca2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シルクル | 作成日時:2019年1月7日 0時