オレを好きになってよ。【手嶋純太】

Who is chosen?25. ページ25

「じゃあ、オレこのまま

総北向かうから。

きっとオレの方が速いと思う」




「‥え、あー、うん‥」











バスに乗り込んだあたしに

外から手を振って、

ペダルを回し学校方面へと

バスより遥かに速いスピードで

行ってしまった。










「行っちゃった‥」






‥てか、



箱学が総北に乗り込むって

やばくないの！？





やっぱ止めれば良かったかなー‥



でも圧がすごかったんだよなあ



あの、山岳のニッコリした顔って

なんか怖くって。

何かある顔。








押しに負けた感。







‥はあ、

何もなきゃいいけど‥
















________**..



「やっぱ校舎まで

上がっちゃったよね！！だよね！！」





バスを降りて、

山岳が居ないのを見て

バス停で待っててって

言い忘れた事に気づく。







「こりゃ、やべーぞ！！！！」





何か起こる前に

急いで行かなきゃ。







全速力で正門坂と

呼ばれた坂を登る。



手嶋先輩の傘を持ちながら。


傘大きいやつだから

正直走りづらい‥けど。








いつもならやる気のちっとも


出ないこの坂も


緊急事態とあらば


本気で登るしかない。















「あと少し‥っはあ、は、」







あと少しで頂上ってところで

見覚えのある頭が。








「おーい、A〜

あともうちょっとだよー」









‥なに呑気に応援なんか

してんのよ、バカ山岳。








「よくがんばりましたっ」





「がんばりました、じゃないし‥

疲れたぁあっ

てか、山岳暑い邪魔ぁ、」






頑張ったねーって、


全速力で走って体があっついのに


抱きしめてくるもんだから


山岳の体を押した。






「もー、照れなくてもいいのになぁ、」






「照れてないから！

暑いのはほんとだからね！？」













「‥お前、何やってんだよ、

‥‥真波山岳」










「‥あ、どうもー、

主将の手嶋さん？でしたっけ？

お邪魔してまぁーす」






「‥て、手嶋先輩‥」






鬼の形相で手嶋先輩が立ってた。

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