オレを好きになってよ。【手嶋純太】

Who is chosen?18. ページ18

「じゃあ、

練習してくるから後は

2年マネージャーの寒咲に聞いて!

寒咲よろしく！」



「はーい、任せてください！」




「わかりました」





それだけ言って

手嶋先輩を先頭に

総北高校自転車競技部

部員が後に続いて坂を下ってった。








「さて、と。

私達は今日は特にすることもないから

お話でもしてよっかっ」



「‥え、でも仕事内容とか

教わったり‥とか‥」




「本当はそうしたいんだけど

まだ入部決めてないんだもんね？」




「はい‥、

今日はとりあえず手嶋先輩が

しつこかったので来ました‥」





「あははっ

手嶋先輩そこまでしてAちゃんを

入れたいみたいだねーっ」





「寒咲先輩、男ばっかのところに

女の子1人って嫌にならないんですか？」





「‥んー、考えた事ないなあ‥

私はほら、自転車が好きだから！

あんまり関係ないかな？？」





「‥はあ‥。

すごいですね‥」





「みんなの練習見てみる？

少しは自転車に興味持つ

かもしれないよ！」
















_____***...






「この辺にいたら

みんなが通るの見れるから」






そう言って寒咲先輩と

部室から、坂を少し下った

練習ルートへと来ていた。










‥山岳が出た大会とか観に行ってたし

どんな感じかってのは何となく

わかるけど‥。







「あ、来るよ」











だんだん近くなって来る

自転車の音。









そして、







「‥‥っ、」







息をのんだ。






それは一瞬の、ほんの一瞬の


出来事だった。






列になった部員達が

すごいスピードであたし達の

目の前を通り過ぎってった。









山岳1人で走ってる時と

まるで違う‥‥






なんだろう。






すごくかっこいいって



思ってしまった自分がいる。



















____***..








「っはーーーーっ、

疲れたーーーーー」






「‥お疲れ様です」







練習終わり、


ベンチにだらりと座る手嶋先輩に


近づいてってタオルを手渡す。







「お、さんきゅー


‥そういや、さっき見てたろ？」







「はい」





「どうだった？」








「‥‥‥かっこよかったです」








「そうか」




あたしの答えに

満足そうに口の端を上げて

微笑んだ。







「‥あーー雨降って来た!!!!」

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