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「みんな、おはよう。席ついて」

藤ヶ谷先生が教室に入ってきた。

みんな席に座るけど、私の机の隣に立ったままの玉森くんに私は焦った。

「た、玉森くん、座らないの?」

「…藤ヶ谷せんせー、質問があります」

「何?」

出席簿に目を通しながら答える先生。

「30近いおっさんが、俺の彼女にちょっかいだすんですけど、どう思いますかー」

教室が笑いに包まれる。

きっと誰も、玉森くんが先生のことを言ってるんだとは思ってない。

「わはは、玉森、いきなり恋愛相談すんなよ〜」

男子が騒ぐけど、玉森くんは鋭い眼差しで先生を見ている。

「気持ち悪いっすよね?藤ヶ谷せんせー」

「…そうだな」

藤ヶ谷先生は出席簿に落としていた視線を玉森くんのほうに向けた。

その眼差しはとても冷たくて、背筋がゾクリとした。

でもそれは一瞬で。

先生は穏やかに微笑んだ。

「けど玉森もあんま勘違いしないほうがいいんじゃないか?」

「…はい?」

「その彼女、意外にもお前なんか眼中なくてそのおっさんのほうが好きなのかもしれないし」

先生の言葉に教室中が爆笑した。

多分、冗談だと思ったんだと思う。

でも玉森くんと先生は全く笑ってなかった。

「出欠取るぞ」

何事もなかったかのように藤ヶ谷先生が名前を呼び始めると、玉森くんが機嫌悪そうに自分の席に座った。









先生が出てったら宮田くん達が玉森くんのところに来た。

「玉、先生にあれはまずいって…」

宮田くんは雰囲気の悪さに気づいたみたいだ。

「別に大丈夫だし」

うざそうにそう返す玉森くん。

「玉森が変なこと言い出すのはいつものことだしな〜」

そう言って玉森くんに絡んできた男子達は全く気づいてないから楽しそうに盛り上がってる。

面白くなさそうな玉森くんをからかう男子達。

藤ヶ谷先生のことが怖いのって本当に私だけなんだ…

どうして先生は私にだけ…

分からない事だらけで、それが余計に不気味で恐ろしい。

とにかく私は、藤ヶ谷先生にあんなことを言った玉森くんが心配で仕方なかった。

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ayachoko(プロフ) - あずきさん» あずき様、まだ読んでいて下さって嬉しいです(T^T)実はこの後の展開にかなり迷ってます(>_<)可哀想すぎるかな、とか…(;_;)楽しみにして下さって感謝です!ありがとうございます(*^^*) (2017年4月16日 6時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - 相変わらずツッコミながら読んでます(笑)わーついに部屋に…!どうなるのでしょう。更新楽しみにしてますね♪ (2017年4月16日 0時) (レス) id: dc6b6c7204 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年4月10日 18時

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