検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:300,240 hit

143 ページ44

お昼休み、ゆりちゃんは一人で学食へ行っちゃったから、私はお弁当を持って裏庭へ。

携帯が鳴って、みるとお母さん。

「もしもし」

『A、大丈夫?』

「…お母さん、今日お仕事どうしたの?」

『院長先生に話して遅刻させてもらったの。ねぇ、A大丈夫なの?』

過保護だなぁ。でも嬉しい。

「大丈夫だよ、ありがとうお母さん。迷惑かけてごめんなさい…」

『謝らないで。先生にも相談したから、何かされたりしたらすぐ先生に言うのよ。先生、「僕が広瀬を守ります」って言って下さったんだから』

「…」

『先生、ほんと頼りになるし素敵だし、A良かったわね』

「うん。あ、友達が来たから切るね」

『わかったわ。じゃあね』

電話を切った。

食欲がわかなくてお弁当の蓋を閉じる。

「広瀬」

「北山先生…」

「おいで」

「…」

「広瀬」

「先生、私もう大丈夫ですから、構わないで下さい」

「大丈夫じゃねぇじゃん。」

黙ってると、手を引っ張られた。

…私、もっと主張した方がいいのかな。

いや、とか。

だけど主張しても受け入れられないことの方が多いから、つい諦めてしまう。

こういうところが良くないのかも…。

体育館の2階へ上がって座り込む私達。

「学校行きたくないって、ほんとか?」

北山先生も知ってるのかな、お母さんが学校に来たこと。

「…大丈夫です」

「大丈夫そうじゃないから心配してんだよ。この間は学校楽しくなってきたって言ってただろ」

「あれは…先生が私のこと前向きに考えてくれたのかなって嬉しかったから」

「えっ?!そうなの??」

「はい…」

あの時、手を握ってくれたんだよね。嬉しかったな。

「…俺、広瀬の力になりたい。なんかできることある?」

先生…。

「俺、あんまし頼りにはなんないけどさ、お前が笑顔で学校に来れるなら、その、前向きに考えてもいいし…」

…え?

ポカーンとする私。

それ、先生、まるで身売りみたい…。

「ふふ」

「何でそこで笑うんだよ」

「先生の思考回路が面白くて」

「…まあいいや、笑ってくれたし」

優しく微笑む先生。

「笑うと気持ちが前向きになれるってのは、科学的にも根拠があんだよ。アルファ波とやらが出るんだって」

そうなんだ…確かに今北山先生と笑ったら、少し気持ちが軽くなった。

「先生、私、人を不快にさせてしまうみたいなんです」

北山先生は黙って聞いてくれてる。

144→←142



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (180 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
424人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ayachoko(プロフ) - あずきさん» あずき様、まだ読んでいて下さって嬉しいです(T^T)実はこの後の展開にかなり迷ってます(>_<)可哀想すぎるかな、とか…(;_;)楽しみにして下さって感謝です!ありがとうございます(*^^*) (2017年4月16日 6時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - 相変わらずツッコミながら読んでます(笑)わーついに部屋に…!どうなるのでしょう。更新楽しみにしてますね♪ (2017年4月16日 0時) (レス) id: dc6b6c7204 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ayachoko | 作成日時:2017年4月10日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。