溺愛ロジック 2

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授業が終わって帰りの時間。

ゆりちゃんとバイバイして下駄箱へ。

どきどきしながら靴の中を覗く。

…良かった。画鋲とか入ってなくて(汗)

橘さんと大林さんが下駄箱に来て「ば、ばいばい」って声かけたけどスルーされてしまった。

「A」

振り返ると玉森くん。

「一緒に帰るっつっただろーが。」

「…ごめんなさい」

「よし。行くぞ」

キョロキョロ。藤ヶ谷先生、いないよね？

「早く来いって」

もう。せっかちだな。

慌てて追っかけた。

ずんずん歩く玉森くん。早歩きで追っかける私。

…疲れちゃった。

まあいっか。追っかけなくても。

ついてこない私に気づいて戻ってきた。

「何してんだよ」

何でそんな急がなきゃいけないの？

「疲れちゃった…」

「もうちょっとだから」

「どこ行くの？」

「俺んち」

はい？！

「寄り道しないよ」

「ダメ。来て。」

やだやだ。絶対無理。首を振る。

「…朝の続き、しよ？」

なぜか恥ずかしそうな玉森くん。

朝ってあの泣くの我慢できないってやつだよね？

一緒に泣いて欲しいのかもしれないけど、私はもう今さら泣けない。

「玉森くん一人でして」

「できるかアホ」

仕方ないな。

「…じゃあ手伝うけど、お家は行けない」

「手伝わんでいいわ。俺に任せろ。つか外じゃ無理」

もう。

玉森くんてワガママ。

「何膨れてんだよ」

頬っぺたを指で押される。その指が私の唇へ。

「…お願いします、Aちゃん。我慢の限界です」

ちゃん付けしてまでお願いする玉森くん。

「…ちょっとだけだよ。ピアノあるから練習しなきゃいけないし、すぐ帰るから」

子どもに言い聞かせるように話す私。

「よし、わかった。じゃあ急ごうぜ〜♪」

この人、ほんとに泣く気あるの？

早く終わりますように。

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