溺愛ロジック 2

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ゆりちゃんside

お昼放課に保健室に行くって言ったAちゃん。
だけど5限になってもAちゃんは教室に戻ってこなかった。

───まさか藤ヶ谷先生と一緒？

授業がおわってから慌てて廊下に出て、周りを見渡す。先生って5限どこのクラスの授業だろう。

少ししたら藤ヶ谷先生が向こうのクラスから出てきて安心。

てことはAちゃん、体調不良かな？

気になるし、見に行ってみよ。

保健室のドアを開けるとそれはそれはいい雰囲気のAちゃんと玉森くんに驚いた。

この二人、もうくっつくんじゃないの？

思わずにやける。

「えぇ〜、二人で何してるの〜？あっ、私邪魔だったよね、ごめんね…」

申し訳ない振りをして下を向く。

Aちゃんが慌ててこっちに来てくれる。

「違うよ！ゆりちゃん誤解だよ！」

「誤解じゃねぇし。今いいとこだったのに」

玉森くんを見て絶句してるAちゃん。

ん〜、これはまだ玉森くんの片思いって感じ？ちょっと、もっと頑張ってよ。今までの経験を生かしてさ。

「玉森くん、優しいよねっ。授業終わったらすぐAちゃんのとこ行ったもんっ。彼女になれたら幸せだろうなぁ〜」

だからもう付き合っちゃえば？

「…俺、教室戻るわ」

しらけた顔して出ていく玉森くん。

もう、押しが弱いな。

「ゆりちゃんも来てくれてありがとう」

Aちゃんは嬉しそうに笑う。

「ねぇ、Aちゃんっ。玉森くんと付き合ってみたら？」

信じられないような顔になっちゃうAちゃん。

そりゃそうでしょ。Aちゃんにはまだそこまでの気持ちはなさそう。

「…それとも他に好きな人がいるの？」

私がそう言ったら顔が真っ赤になった。

うそっ！誰？

白状してよ。

「私もAちゃんに色々話してるから、Aちゃんも色々相談して欲しいなっ。力になるよっ」

手を握ってそう言えば、目に涙が溜まってくAちゃん。

この子、すぐ泣きすぎ。

「ゆりちゃん、ありがとう…まだ自分の気持ちがよくわからないから…でもほんとに好きかもって思ったら絶対相談するね」

ふーん。誰だろ。うちの生徒？

「うんっ！私はいつでもAちゃんの味方だよっ」

「ゆりちゃ〜んっ」

抱きついてくるAちゃん。

玉森くんにしたらいいのに。玉森くんよりかっこいい男子なんていたっけ。

「教室戻ろっ！Aちゃんいなくて寂しかったよぉ〜」

「うん！ごめんね」

私とAちゃんは手を繋いで教室へ戻った。

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