186 ページ40
優しく頭を撫でる感触に目が覚めると、微笑む愛しい人。
「藤ヶ谷さんっ…」
飛び起きると、「メリークリスマス」って言って白い歯を見せて笑ってから、「あ、イブをつけなきゃね」なんておどける藤ヶ谷さん。
「来てくれたんですか…?」
「もちろん。はい、約束のホールケーキ」
藤ヶ谷さんはそれはそれは大きなホールケーキを私に見せてくれた。
「おっきい…」
「でしょ。ケーキ屋さんに特注サイズで作ってもらったから」
得意気な顔の藤ヶ谷さんが可愛い。
「これを作ってもらってたから約束の時間に来れなかったの?」
「…そうだよ」
そんな馬鹿なって思ったけど、今こうして来てくれてるから、もうどうでもいい。
聞きたいことはたくさんあるけど、とにかく少しでもくっついていたくて、藤ヶ谷さんにしがみついた。
「藤ヶ谷さんっ…会いたかった」
「俺もだよ」
「…私が一番、大事?」
「うん。Aちゃんが世界で一番、大事」
涙が零れた。
私も、って言おうとしたけど言えなかった。
藤ヶ谷さんの唇が私の唇を封じ込めたから。
苦しい。
どこか責め立てるようなキスに息苦しくなり、目を開けると、目の前にはみっくんがいた。
「んんっ…?!」
今のは夢で、キスしていたのはみっくんだったことに気づく。
唇を離すと、私を見下ろすみっくんは薄く笑った。
「起きた?」
「あ…おかえりなさい」
起き上がろうとしたけど、肩を押されてまたベットに戻された。
「A、何の夢見てた?」
虚ろな瞳で尋ねるみっくんに息を飲んだ。
「…見てないよ、夢なんて」
無理矢理に微笑むと「そっか、」って掠れた声で言うと、目を伏せるみっくん。
「…もし世界が終わるってなったらさ」
「へ?…ふふ」
みっくんの突拍子もない話に思わず笑ってしまった。
「…マジな話」
みっくんにしては珍しく、酷く穏やかな声。
「世界が終わるその瞬間にさ、Aは誰と一緒にいたい?」
「もちろん、みっくんだよ」
私の唇が勝手に動いてそう答えた。
嘘をつくのに慣れてしまっている自分。
みっくんは力なく笑う。
「A…しよ?」
熱の籠った声で、私の耳元でみっくんが囁いた。
「うん…」
みっくんは少し安心したような顔をした。
今日は激しく抱いて欲しかったのに、みっくんはまるで壊れものを扱うように、優しく抱いてくれたから、余計に悲しくなった。
1024人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
。 - 完全に流産で入院はありえません流産したら腹痛もなくなります (8月16日 12時) (レス) @page48 id: 0a0105a918 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - りなさん» りなさん!( ;∀;)大好きとか、もう嬉しくて踊っちゃいそうです♪( ̄▽ ̄)♪ 超長編?!(笑)(笑)そのうち誰も見てくれなくなりそうですね(;´∀`)ありがとうございます(*^^*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - じゅりさん» じゅりさんっ(*≧∀≦*)嬉しいです!ありがとうございます(*^^*)はしょるの、これからはやめます(笑)気にしすぎだったんですね、私( ̄▽ ̄;)ありがとうございます(*´ー`*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - ayachokoさん» いえいえ(^.^)5以降も見たいです!インモラル大好きすぎて( ;∀;)超長編でお願いいたします笑 (2017年10月11日 15時) (レス) id: 7acbea5606 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - わわ、そーだったんですね はしおらなくて良かったです笑 ぜひ書いてください笑 (2017年10月11日 0時) (レス) id: af61e84eed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ayachoko | 作成日時:2017年9月24日 21時