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「うそ、何で…」
『皐月が、』
名前を聞くだけで頭がカッとなる。
「皐月さんと私、どっちが大事なの?!」
『もちろんAちゃんだよ、だけど…』
「なら来てください!来るまで帰らないからっ」
『ダメだよ、雪が降ってるし。埋め合わせは必ずするから』
私の前をカップルが嬉しそうに手を繋いで通り過ぎてく。さっきから何度もこんなのばっか。
「今日じゃなきゃ、ダメ…」
『Aちゃん』
「藤ヶ谷さんが来なかったら私、凍え死んじゃいます…だから、」
突然電話の向こうから大きな音がした。その後で発狂してるような声も。
『ごめん、また電話するから。とにかく家に帰るんだよ』
藤ヶ谷さんは早口で話すと、そのまま電話が切れてしまった。
…何で?
私、来るまでずっと待ってるって言ってるじゃない。
藤ヶ谷さんにLINEを送った。
《ずっと待ってます》って。
既読はつかないけど。
《藤ヶ谷さん、早く来ないと私、雪だるまになっちゃうよ》
《コートが白いから雪と同化して藤ヶ谷さん見つけられないかも》
せっかく巻いた髪も、濡れてカールはとれちゃったし、ファーもふわふわしてたのにぺたんとしてる。
手がかじかんで文字を打つのにいつもより時間がかかるけど、それでも寂しくて、来て欲しくて、必死に送り続けた。
《藤ヶ谷さん》
《私を見つけて下さい》
世界中のどこにいても来てくれるなら、今すぐここに来てよ。
「…雪だるま見〜つけた」
寒くてしゃがみこんで携帯を見てたら頭上から声がした。
「見つけなくていいっ…」
涙が止まらない。
暖かいマフラーをグルグル巻かれて抱きしめられた。
「馬鹿じゃん、やっぱり傷つけられてるし」
玉森くんが暖かい手のひらで、涙で濡れる私の頬を包んだ。
「うぅ…」
「冷たっ。あれからずっと待ってたの?」
「…まだ待つ」
「ふざけんな、帰るよ」
首を必死に横に振ると玉森くんは「強制連行だな」って言って、私をお姫様抱っこした。
「やめてよっ、恥ずかしいからっ!」
「帰るなら降ろすよ」
スタスタと歩く玉森くん。
周りの目が恥ずかしすぎて玉森くんの首に腕を回ししがみついた。
「こんな手のかかる女初めてだわ」
呆れた声で、でも玉森くんは優しく笑った。
藤ヶ谷さん、愛を試すようなことをしてごめんなさい。
けど私、やっぱり皐月さんには敵わないんだね。
もういいや。
もう、藤ヶ谷さんなんか…
…好きです。
今日はどうしても、会いたかった。
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。 - 完全に流産で入院はありえません流産したら腹痛もなくなります (8月16日 12時) (レス) @page48 id: 0a0105a918 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - りなさん» りなさん!( ;∀;)大好きとか、もう嬉しくて踊っちゃいそうです♪( ̄▽ ̄)♪ 超長編?!(笑)(笑)そのうち誰も見てくれなくなりそうですね(;´∀`)ありがとうございます(*^^*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - じゅりさん» じゅりさんっ(*≧∀≦*)嬉しいです!ありがとうございます(*^^*)はしょるの、これからはやめます(笑)気にしすぎだったんですね、私( ̄▽ ̄;)ありがとうございます(*´ー`*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - ayachokoさん» いえいえ(^.^)5以降も見たいです!インモラル大好きすぎて( ;∀;)超長編でお願いいたします笑 (2017年10月11日 15時) (レス) id: 7acbea5606 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - わわ、そーだったんですね はしおらなくて良かったです笑 ぜひ書いてください笑 (2017年10月11日 0時) (レス) id: af61e84eed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年9月24日 21時