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「じゃあどうしたらいいの?」
「俺が嬉しくなるようなことをして下さい」
「例えば?」
「藤ヶ谷さんとの不倫を終わらせる、とか」
「無理だよ。それに藤ヶ谷さんのが私にメロメロだし?」
へらっと笑うけどシラけた顔をされた。
「…あの人は、本気じゃないよ」
「どうしてそう思うの?」
「皐月さんは芯が弱い人だから、そんな皐月さんを捨ててまでAちゃんと一緒にはならないと思う」
芯が弱い…。確かにそんな感じはするかも。
「…あんまりベラベラ話すのもあれだけどさ、俺、Aちゃんには藤ヶ谷さんと別れて欲しいから話すね」
玉森くんは言葉を選びながら、ポツポツと話始めた。
皐月さんは子どもの頃、親から虐待をうけていたこと。
児童保護施設で育ったこと。
付き合っている相手をわざと傷つけて、自分への愛の深さを確かめてしまうこと。
玉森くんが言うには、皐月さんの浮気はもしかしたら藤ヶ谷さんの愛の深さを試しているのかもしれないって。
ただ男と遊んでるだけに見えたのに…。
玉森くんも別れてからほんとの皐月さんがわかったって呟いた。
「このまま付き合っても、絶対藤ヶ谷さんは最終的には皐月さんを選ぶよ。Aちゃんを選ぶことはないと思う…」
「けど、」
藤ヶ谷さんはすべて捨ててもいいって言ってた。
「この間だって、皐月さんが体調崩した時会えなかったんでしょ?」
「それは、病人をほっとけないって言ってたから」
「違うよ、皐月さんをほっとけないんだって」
玉森くんが憐れみの目で見てくる。
何それ。
藤ヶ谷さんは皐月さんよりも私を愛してくれてるはずだと思ってた。
「でも皐月さんは、藤ヶ谷さんと私が不倫してるの知ってて…」
「うん」
「協力してくれる時もあったし、」
「だから、最終的には自分のとこに帰ってくるって絶対的な自信があるんだよ、きっと」
視界がぐらつく。
「Aちゃんが傷つくのは目に見えてるから。だからやめたほうがいいよ、もう」
ダメだ、泣きそう。けど泣くと認めるみたいで嫌だ。
「Aちゃん」
玉森くんが手を伸ばしてきたけど振り払った。
「玉森くんは知らないじゃない…」
「何を?」
「藤ヶ谷さんが、どれだけ私のことが好きか…」
「…まあ、いいけど。そのうちわかることだし」
ため息をつく玉森くんに腹が立った。
車のエンジンを入れる。
もうお互い何も話さずに職場の駐車場へ戻り、玉森くんは「お疲れ様でした」って冷たく言うと車を降りた。
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。 - 完全に流産で入院はありえません流産したら腹痛もなくなります (8月16日 12時) (レス) @page48 id: 0a0105a918 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - りなさん» りなさん!( ;∀;)大好きとか、もう嬉しくて踊っちゃいそうです♪( ̄▽ ̄)♪ 超長編?!(笑)(笑)そのうち誰も見てくれなくなりそうですね(;´∀`)ありがとうございます(*^^*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - じゅりさん» じゅりさんっ(*≧∀≦*)嬉しいです!ありがとうございます(*^^*)はしょるの、これからはやめます(笑)気にしすぎだったんですね、私( ̄▽ ̄;)ありがとうございます(*´ー`*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - ayachokoさん» いえいえ(^.^)5以降も見たいです!インモラル大好きすぎて( ;∀;)超長編でお願いいたします笑 (2017年10月11日 15時) (レス) id: 7acbea5606 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - わわ、そーだったんですね はしおらなくて良かったです笑 ぜひ書いてください笑 (2017年10月11日 0時) (レス) id: af61e84eed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年9月24日 21時