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「皐月さん…何で」
「会いたかったから、Aちゃんに呼び出してもらったの」
玉森くんは私のほうを見た。
その顔は怒ってるようにも見えたし、傷ついてるようにも見えた。
すると皐月さんが玉森くんにすがりついた。
「お願い、あんなに私のことを欲してくれたのは裕太だけなの!私の身体だけじゃなくて、私自身を…」
困惑した顔の玉森くん。
コンビニの駐車場にいる人達が何事かとジロジロと見てくる。
「あの、とりあえず車で話しませんか?」
「…裕太が乗ってくれるなら」
「玉森くん、いいかな。ついでに送ってくから自転車載せて?」
「…はい」
車のトランクに自転車を載せてもらい、後部座席に玉森くんと皐月さんに乗ってもらった。
「裕太…寂しいのよ、あなたがいないと。お願い…」
「皐月さん、俺」
「私、もうすべて捨ててもいいの。裕太となら…」
「皐月さん、俺はすべてを捨てられない」
「裕太っ…」
「ごめんなさい、皐月さんとは、俺の中ではいつか終わりがある遊びでした」
聞いていて、胸が痛む。
皐月さんに対してではなく、玉森くんに。
彼はきっと本気だったはず。
一度は重いと言われて皐月さんに捨てられたわけだし。
けど彼は正しい道を歩んで行く。
皐月さんが自分のことをきちんと諦められるように、大好きだった気持ちをなかったことにして話している玉森くんの優しさに、胸が痛んだ。
二人はそれ以上何も話さなくて、玉森くんの家に着いてしまった。
皐月さんは泣きじゃくっているけど、玉森くんはすぐに車を降りたから、慌てて私も降りてトランクを開けた。
玉森くんは自転車を降ろすと、私のほうを見もしないで「送ってくれてありがとうございました」って軽く頭を下げて家に入っていった。
…もうあの子は私と話してくれないだろうな。
車に乗ると、藤ヶ谷さんの家に向かった。
皐月さんはずっと泣いていて、こんなに泣いてたら身体の水分がなくなっちゃうんじゃないかと心配になった。
私にもたれるように寄りかかる皐月さんの鞄から家の鍵を探してドアを開けた。
家の中に入ると皐月さんは冷蔵庫からお酒を取り出した。
「お風呂入ってからのが良くないですか?」
「…」
何も話さない皐月さん。
「あの、お風呂沸かしますね」
一応断りを入れてから、洗面所へ向かった。
洗剤を探して浴室に入り、お風呂掃除をしてからお湯を沸かした。
…なんか、疲れたな。
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。 - 完全に流産で入院はありえません流産したら腹痛もなくなります (8月16日 12時) (レス) @page48 id: 0a0105a918 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - りなさん» りなさん!( ;∀;)大好きとか、もう嬉しくて踊っちゃいそうです♪( ̄▽ ̄)♪ 超長編?!(笑)(笑)そのうち誰も見てくれなくなりそうですね(;´∀`)ありがとうございます(*^^*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - じゅりさん» じゅりさんっ(*≧∀≦*)嬉しいです!ありがとうございます(*^^*)はしょるの、これからはやめます(笑)気にしすぎだったんですね、私( ̄▽ ̄;)ありがとうございます(*´ー`*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - ayachokoさん» いえいえ(^.^)5以降も見たいです!インモラル大好きすぎて( ;∀;)超長編でお願いいたします笑 (2017年10月11日 15時) (レス) id: 7acbea5606 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - わわ、そーだったんですね はしおらなくて良かったです笑 ぜひ書いてください笑 (2017年10月11日 0時) (レス) id: af61e84eed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年9月24日 21時