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「でも…」

「私はあなたが太輔に会いたかった時に自宅に招いたのに」

「…わかりました、でも玉森くんが嫌がったら帰りますよ」

「わかったわ」

玉森くんに電話をかけようと思い携帯を取り出すと「連絡先交換してるの?」って皐月さん。

「前に玉森くんを怪我させてしまって…」

「夫婦揃って何してんのよ」

皐月さんの言葉は無視して玉森くんに電話をかけた。

『もしもし』

「玉森くん、バイト終わった?」

『さっき終わりましたよ〜。閉店間際にいきなりレジ並んじゃって』

疲れましたわ、って玉森くん。

「そうだよね、疲れてるよね」

『どうかしたの?』

「今から少し会えるかな…」

この非常識なお願い。
玉森くん、断って…。

『何かあったんすか?』

「何もないけど…。無理だよね、もう夜遅いし」

私がそう言うと皐月さんに睨まれた。

『大丈夫。どこに行けばいい?』

私の願いとは裏腹に承諾してくれる玉森くんに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

せっかく吹っ切れたのに、もしかしたらまた不倫の沼に嵌まることになるかもしれない。

「ごめん、ほんとにごめんね…」

『いいから。俺言ったじゃん。何かあったらいつでも話してって』

「うん…」

玉森くんには職場の近くのコンビニに来てもらうように頼んで電話を切った。

「裕太、来てくれるって?」

「はい」

「良かった…」

心底嬉しそうな皐月さんを見て複雑な気持ちになる。

コンビニに着くと、玉森くんが雑誌のところで立ち読みしているのが見えた。

「呼んで来てよ」って皐月さんに言われてコンビニに入った。

玉森くんは私の姿を確認すると、雑誌を棚に戻して微笑んだ。

気まずくて視線を外した。

「どしたの、Aちゃん」

優しく聞いてくる玉森くんに何て言ったらいいかわからない。

「…あ、そだ。見て?」

リュックから何か出す玉森くん。

「クワガタ、出たよ」

「すごい…良かったね」

「今さっき買ったら出た。だからご褒美はクワガタじゃダメだよ?」

ご褒美、すっかり忘れてた。

「そうだね…」

「…出ますか。ここじゃ話しにくいし」

私の手を取りコンビニを出る玉森くん。

そろそろ言わなきゃ、皐月さんがいるって。

「…大丈夫?」

黙ったまま下を向く私を玉森くんが除き込んで視線がぶつかった。

「会いに来てくれて、嬉しい」

「玉森くん…」

「裕太」

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- 完全に流産で入院はありえません流産したら腹痛もなくなります (8月16日 12時) (レス) @page48 id: 0a0105a918 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - りなさん» りなさん!( ;∀;)大好きとか、もう嬉しくて踊っちゃいそうです♪( ̄▽ ̄)♪ 超長編?!(笑)(笑)そのうち誰も見てくれなくなりそうですね(;´∀`)ありがとうございます(*^^*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - じゅりさん» じゅりさんっ(*≧∀≦*)嬉しいです!ありがとうございます(*^^*)はしょるの、これからはやめます(笑)気にしすぎだったんですね、私( ̄▽ ̄;)ありがとうございます(*´ー`*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - ayachokoさん» いえいえ(^.^)5以降も見たいです!インモラル大好きすぎて( ;∀;)超長編でお願いいたします笑 (2017年10月11日 15時) (レス) id: 7acbea5606 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - わわ、そーだったんですね はしおらなくて良かったです笑 ぜひ書いてください笑 (2017年10月11日 0時) (レス) id: af61e84eed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年9月24日 21時

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