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予想通り、藤ヶ谷さんは少し照れ臭そうに笑った。
笑顔が眩しい。
「おかえりなさい、あなた」
調子に乗って言ってみたら、呆れられるかと思ったのに、口に手を充てて照れてる藤ヶ谷さんに嬉しくなった。
「…ただいま」
優しく微笑む藤ヶ谷さん。
藤ヶ谷さんは、花が咲くように笑う人だと思った。
綺麗で、どこか儚い。
「藤ヶ谷」
いつもより低いみっくんの声。
「…皐月がお邪魔してるみたいだね。連れて帰るから」
みっくんとは対照的に穏やかな声で話す藤ヶ谷さん。
「いいから、入れよ」
そう言うとみっくんはリビングに戻ってしまった。
私と藤ヶ谷さんは顔を見合わせた。
「じゃあ、お邪魔します」
藤ヶ谷さんは靴を脱いで私の前を通りすぎようとしたけど、振り返って私を壁に押しやった。
「藤ヶ谷さっ…」
唇が重なり驚いた。
リビングのドアが開いたら見られちゃうのに、藤ヶ谷さんは気にも留めずに角度を変えながら、何度も噛みつくようにキスする。
背中にゾクゾクと快感が走り、気持ちよくて声が漏れる。
「ふっ…んん」
唇を離すと藤ヶ谷さんは、あの時と同じ目で私を見つめてきて、それだけで身体が熱くなった。
「中、入ろうか」
藤ヶ谷さんは何事もなかったかのように私から離れてリビングに入っていった。
洗面所に入り、鏡を見ると、赤い顔をした自分。
これじゃみっくんの前に出られない…。
うちの洗面所は寒いから火照る身体にはちょうどいい。
「A」
なかなかリビングに来ない私をみっくんが見に来た。
「あ、ごめんね。今いく…」
気がつくとみっくんの腕の中。
「どうしたの…?」
尋ねても、抱き締める力が強くなるだけで、返事はない。
「みっくん?」
「…別に」
腕を緩めて私の手を取り、「行こ」ってみっくん。
「手、繋いで行くの?」
「いいじゃん、やなのかよ」
「…いいけど」
みっくんに引っ張られてリビングに入った。
「仲良しですね、羨ましい」
皐月さんの言葉にみっくんが笑った。
「コイツ、すぐ手繋ぎたがるんだよね」
みっくんから繋いだくせに。しかもぎゅっと握られていて離せない。
「え〜可愛い。ね?太輔」
「Aちゃんは手を繋ぎたがるよね」
藤ヶ谷さんの言葉に固まる私達。
当の藤ヶ谷さんはニコニコしているから逆に怖い。
「繋いだ手を振ったりとか、ね?」
紅葉デートの時を思い出して、あの鮮やかで切ない光景が頭に浮かんだ。
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。 - 完全に流産で入院はありえません流産したら腹痛もなくなります (8月16日 12時) (レス) @page48 id: 0a0105a918 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - りなさん» りなさん!( ;∀;)大好きとか、もう嬉しくて踊っちゃいそうです♪( ̄▽ ̄)♪ 超長編?!(笑)(笑)そのうち誰も見てくれなくなりそうですね(;´∀`)ありがとうございます(*^^*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - じゅりさん» じゅりさんっ(*≧∀≦*)嬉しいです!ありがとうございます(*^^*)はしょるの、これからはやめます(笑)気にしすぎだったんですね、私( ̄▽ ̄;)ありがとうございます(*´ー`*) (2017年10月11日 16時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - ayachokoさん» いえいえ(^.^)5以降も見たいです!インモラル大好きすぎて( ;∀;)超長編でお願いいたします笑 (2017年10月11日 15時) (レス) id: 7acbea5606 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - わわ、そーだったんですね はしおらなくて良かったです笑 ぜひ書いてください笑 (2017年10月11日 0時) (レス) id: af61e84eed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年9月24日 21時