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藤ヶ谷さんがどこから駅前まで向かうのか、時間がどのくらいかかるのかわからなかったけど、白いシャツにパンツスタイルの今の服装が嫌で、慌てて家に帰って着替えた。
また車に乗り、駅前へ向かう途中、藤ヶ谷さんから部屋番号を教えるLINEが来て、急いで向かう。
ホテルに着き、インターホンを鳴らすと、藤ヶ谷さんがドアを開けてくれた。
スーツの上着は脱いでいて、ネクタイも少し緩めてあって、仕事から帰って来たらこんな感じなんだなって妄想が広がる。
部屋の中に入ると藤ヶ谷さんにふわりと抱きしめられて、もうそれだけで身体が歓喜に震えた。
「藤ヶ谷さん…」
藤ヶ谷さんの肩に顔を埋めて、頬を擦り寄せた。
「…Aちゃん、会いたかった」
「さっき会いました」
「そうだね、でもこうして抱きしめたかったから、今すごい幸せ」
私も。
さっき、藤ヶ谷さんに触れたくて仕方なかった。
「藤ヶ谷さん…」
唇を近づけようとすると離れる藤ヶ谷さん。
「何で?キスしたいです…」
「その前に話させてくれる?」
真剣な顔で私を見つめる藤ヶ谷さん。
「ダメ。キスしてくれないと話しない」
もっかい顔を近づけるけど、口に手のひらをあてられた。
「俺のことブロックした子、誰だっけ」
しらけた顔でそう言う藤ヶ谷さんの手のひらを振り払った。
「藤ヶ谷さんが悪いし…」
ほんとは別に悪くないけど拗ねてみた。
「ごめん、俺ほんとにわかんなくてさ。何かしちゃった?」
心配そうな顔をして私の顔を覗き込んでくる藤ヶ谷さんにすかさずキスをした。
「…っ、Aちゃん、」
藤ヶ谷さんが口を開いたからすかさず舌を入れた。
キスしてるだけなのに、身体の中心が疼く。
今度は肩を掴まれて引き離された。
「…こら、ダメだよ。話が先」
「じゃあ話が終わったらいいの?」
「Aちゃん、時間ないんじゃないの?」
ぎく。
「時間、出来ました」
「じゃあゆっくり話せるね」
「そしたら続きする時間がなくなっちゃう」
何言ってんの、って呆れた顔の藤ヶ谷さんに激しく同意した。
自分がよくわからない。
もう裏切らないって誓ったはずなのに。
「…藤ヶ谷さんが好きだからブロックしました」
「…」
「皐月さんのことを想う藤ヶ谷さんを見るのは辛いから…」
「Aちゃん…」
「もう、気持ちがコントロール出来なくてどうしたらいいか、わかんない…」
藤ヶ谷さん、助けて。
苦しいんです。とても。
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ayachoko(プロフ) - ゆいゆいさん» ゆいゆいさん(*^^*)お忙しいのに貴重なお時間で読んでくださり感謝の気持ちでいっぱいです(T-T)更新のペースが早くて大変だと思いますのでゆっくり読んでいただければと思います(。>д<)ビジネスホテル、アレがないですもんね(笑)でもいかにも不倫っぽい場所かも(^^; (2017年9月27日 7時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいゆい(プロフ) - 太輔くんの主ちゃんは俺のだよっていうセリフにキュンキュンしました!!でも、一線越えたのがビジネスホテルで色々心配ですね笑 最近忙しくてお話しに追い付けていなかったりしますが、これを読むのが本当に楽しみになってます(^.^) (2017年9月27日 1時) (レス) id: 1462413259 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - sioriさん» sioriさ〜ん(*≧∀≦*)お忙しい中来て下さりありがとうございます!(*^^*)みっくんと穏やかに暮らしていけませんでした。欲に負けました、私←なりきり(笑) みっくんがいるのに贅沢すぎですよね(^^; (2017年9月24日 21時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 紀輔さん» 紀輔さ〜ん(*≧∀≦*)んふふ、私BLは藤北だけは読んでるのです…( 〃▽〃)紀輔さんの文、すごく読みやすくて羨ましいです(T-T)北藤のプレゼントのお話、にやけました〜( 〃▽〃)攻めのみっくん、最高でした( 〃▽〃) (2017年9月24日 21時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ピンクマカロンさん» そして、『あの夜君に抱かれたら』の藤ヶ谷さんですが、なんであんなに甘くてえろい藤ヶ谷さんが書けるんですかっ!もうドストライクでニヤニヤしちゃいました( 〃▽〃)更新、楽しみにしています!コメント見ると他の方も待ってるみたいですしねっ(*≧∀≦*)←圧力(笑) (2017年9月24日 21時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年9月12日 20時