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「勉強会、行けるの?」

今井さんが驚いて私を見た。

「はいっ!主人からOKもらいました」

滅多にないだろうし行ってこいよって。

良かった。私も実はすごく行きたかったから。

最近みっくんはすごく穏やかで優しくて、私を信頼してくれている。

だって最近の私はみっくんにかなりベッタリだから。

もうみっくんがいなかったら無理だよ、きっと。

「今井さんとりょ・こ・う♪んふっ!」

ピトッとくっつくと「ウザい」って言われてしまった。悲しい。

そこでお店の電話が鳴った。

「お電話ありがとうございます。未来屋書店駅前大通店の北山でございます」

『…高城出版の藤ヶ谷です。お世話になっております』

藤ヶ谷さん…。

「お世話になっております…」

『本日お伺いしたいのですが、北山さんのご都合はいかがですか?』

「今日は16時までいるので、何時でも大丈夫です」

『わかりました。…では15時30分には行けると思いますのでよろしくお願い致します』

「はい、お待ちしています…」

『終わりの時間ギリギリですみません。出来るだけ急ぎますので。では失礼します』

電話が切れた。

受話器をあてていた右耳が熱を持ったように熱い。

低くて甘い藤ヶ谷さんの声に身体が勝手に喜んでいる。

「北山さん?どうしたの?固まって。電話誰だった?」

「あ…高城出版の藤ヶ谷さんでした」

「あらあら。小野さん休みじゃない。残念がるわね〜」

藤ヶ谷さんが、来る。

なんか緊張して吐きそう…。



15時少し前に玉森くんが出勤してきた。

お店の巡回をする玉森くんの後を追っかけて声をかけた。

「玉森くんっ!」

「おわっ、びびった〜。何すか」

手招きして玉森くんに屈んでもらい、耳打ちした。

「今日藤ヶ谷さんがお店に来るの」

「…え」

耳元で話してたのにいきなりこっちを向くから顔が近くてドキッとした。

「あ、ごめん…」

離れようとしたのに手首を掴まれた。

「Aさん、俺…」

「こんにちは」

声がして上を向くと、にっこりと微笑んでいる藤ヶ谷さん。

その笑顔に一気に体温が上がった。

しゃがんでたから慌てて立ち上がる。

「こんにちは…」

「今ちょっとよろしいですか?」

「え?あ、はい」

いつもは先に売り場チェックするのに。

児童書売り場のほうへ歩いていく藤ヶ谷さんを追っかけた。

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ayachoko(プロフ) - ゆいゆいさん» ゆいゆいさん(*^^*)お忙しいのに貴重なお時間で読んでくださり感謝の気持ちでいっぱいです(T-T)更新のペースが早くて大変だと思いますのでゆっくり読んでいただければと思います(。>д<)ビジネスホテル、アレがないですもんね(笑)でもいかにも不倫っぽい場所かも(^^; (2017年9月27日 7時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいゆい(プロフ) - 太輔くんの主ちゃんは俺のだよっていうセリフにキュンキュンしました!!でも、一線越えたのがビジネスホテルで色々心配ですね笑 最近忙しくてお話しに追い付けていなかったりしますが、これを読むのが本当に楽しみになってます(^.^) (2017年9月27日 1時) (レス) id: 1462413259 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - sioriさん» sioriさ〜ん(*≧∀≦*)お忙しい中来て下さりありがとうございます!(*^^*)みっくんと穏やかに暮らしていけませんでした。欲に負けました、私←なりきり(笑) みっくんがいるのに贅沢すぎですよね(^^; (2017年9月24日 21時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 紀輔さん» 紀輔さ〜ん(*≧∀≦*)んふふ、私BLは藤北だけは読んでるのです…( 〃▽〃)紀輔さんの文、すごく読みやすくて羨ましいです(T-T)北藤のプレゼントのお話、にやけました〜( 〃▽〃)攻めのみっくん、最高でした( 〃▽〃) (2017年9月24日 21時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ピンクマカロンさん» そして、『あの夜君に抱かれたら』の藤ヶ谷さんですが、なんであんなに甘くてえろい藤ヶ谷さんが書けるんですかっ!もうドストライクでニヤニヤしちゃいました( 〃▽〃)更新、楽しみにしています!コメント見ると他の方も待ってるみたいですしねっ(*≧∀≦*)←圧力(笑) (2017年9月24日 21時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年9月12日 20時

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