引き換えに ページ22
「藤ヶ谷先生、お待たせしました」
指定された店で待っていると、隣に真理子先生が座った。
ピアノの生演奏が流れる落ち着いた店内。
あぁ、またAの演奏が聴きたい。
自宅にピアノを置こうか。
彼女の美しい演奏をいつでも聴けるように。
「藤ヶ谷先生、この曲がお好きなんですか?」
「いえ…」
「なんだかうっとりした顔をされてたので。私もこの曲弾けるんですよ。今度良かったら家に…」
「そうですね、考えておきます。それで話したいこととは?」
用なしだった真理子先生にこれ以上好意を寄せられないように、素っ気なく対応していた俺は、珍しく自信満々な態度で誘ってくる真理子先生が気になり、誘いに乗った。
「ええ。実は今日、広瀬さんが北山先生の自宅に来たんですよ」
「広瀬が?」
「ふふ、私と北山先生、最近は割と親しくしてるんですよ?藤ヶ谷先生は最近北山先生とあまり一緒にいらっしゃらないですよね?」
どうでもいい情報にうんざりしてため息をついた。苛ついたのを顔に出していたようで、それを嫉妬と勘違いしたのか、真理子先生は満足げに笑った。
「それで?」
「広瀬さん、私の顔を見たら、泣きそうになっちゃって。私達の関係を勘違いしたのね。彼女、北山先生に気があるんじゃないかしら」
「そんなことはないですよ。教師と生徒なんですから」
「貴方だって、広瀬さんは生徒なのに特別な感情を抱いてるでしょ?」
そっと肩に触れてくる。鬱陶しい。突き飛ばしてやりたい気持ちになるが、なんとか堪えた。
「だから私、北山先生に言ったの。家にいれてあげたら?って。一緒にいるところを誰かに見られたらまずいでしょ?」
余計なことを。
「…北山は家には入れないでしょう」
アイツはチャラチャラしてるけど、そういうところはしっかりしてるはずだ。
「入れたわよ、家に」
厭らしい笑みを浮かべてくる。嫌悪感が増す。
「そんなわけ、」
「貴方が信じてくれないかと思って写真、撮ったの」
携帯の画面には、確かに北山にうながされて部屋へ入っていくAが写っていた。
「…この写真、いただけませんか」
「いいですよ。でも」
首に腕を絡ませてきた。
「高いですよ?」
「…いくらで売っていただけるんですか」
「お金じゃなくて、ね?」
…仕方がない。
この写真は後で必ず必要になる。
その辺の適当なホテルに入り、一晩相手をした。
正面向いては到底無理だから、後ろから犯した。
Aの顔を思い浮かべながら。
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ayachoko(プロフ) - *カスミソウ*さん» カスミソウさん!(;∀;)こんな暗い話にもったいないくらいの嬉しいコメントありがとうございます(;_;)一気に読むの、大変でしたよね(^^;玉森先生Ver.も近々アップします!ほんとに嬉しいです(/_;)ありがとうございます(*≧∀≦*) (2017年9月1日 7時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
*カスミソウ*(プロフ) - 溺愛ロジックすべて読みました!とっても面白くて、一気に読んでしまい気づいたら4時間ぐらいたってましたwww新作のインモラルもドキドキですし、玉森先生Ver.も気になります!更新を楽しみにしております!応援しております!頑張ってください! (2017年8月31日 22時) (レス) id: 0fb920ca18 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ましろさん» ましろさんっ( ;∀;)嬉しすぎるお言葉ありがとうございます(。>д<)私もヤンデレ藤ヶ谷くんが大好きです(笑) (2017年8月15日 20時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 素敵な藤ヶ谷さんを描いて下さって本当に有難うございます!大好きです、このたいぴ(笑) 他の作品も次回作も楽しみにしています! (2017年8月15日 16時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ましろさん(*^^*)こんな駄作に優しいお言葉ありがとうございます(T^T)今後ドラマとかで狂った役とか藤ヶ谷くんにやって欲しいな〜(笑)好青年は興味なしです(о´∀`о) (2017年6月22日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年5月5日 8時