仕掛ける ページ15
「藤ヶ谷、先生。何で…」
「俺もびっくりしたよ。けどよくよく考えてみたら、玉森は建築士になりたいって言ってたしな。この展示会も玉森の好きな建築家の模型があるし」
「…加藤先生に聞いて、ちょうど今日予定なかったから」
加藤先生に玉森にそれとなく伝えるように言ったのは俺だけど。
「せっかく会えたんだし、飯でも食うか?」
もうすぐ昼だし、奢りだと伝えると誘いにのる玉森。
玉森はもともと他の生徒と一緒で俺にかなりなついていた。そして俺自身も玉森を可愛がっていた。建築に興味あるもの同士、盛り上がったことも。
「好きなの頼めよ」
同じ建物内の1階にある店に入って、メニュー表を玉森に渡すと、俺をチラッと見た後メニュー表に目を落とす玉森。
選んでる間、玉森を観察した。
Aが想いを寄せる玉森を。
玉森は甘いマスクの割には強引なとこがあり、ぐいぐい引っ張っていくようなそんなギャップにAは惹かれているのかもしれない。
料理を頼んでからは進路の話をした。
「玉森はやっぱり県内しか考えてないのか」
「…まぁ」
確かに県内の国公立にも建築科はあるけど、京都にある大学に玉森の進みたい進路にピッタリの大学がある。
前にも勧めたけど、その時も乗り気ではなさそうだった。
「…先生は俺が県外に出てくれたほうが都合がいいわけ?」
思わず面食らった。
親身に考えてやったのに。
「K大学の卒業生は大手設計事務所で活躍する卒業生もいるし、あそこは有名な建築家の指導もある。大学院だって…」
「だから、いいんだって。別に建築士ダメでもM大出てれば就職に有利だし」
唖然としてると、料理がテーブルに並べられた。
玉森は「余裕でA判定出てるし、もう決めたから」って言うと食事し始める。
こいつ、やっぱりユルい。
…いや、物事に対する執着心がないんだろう。
だけど唯一Aにだけは異様な執着をみせる玉森。
食べ終わり、玉森が「もう帰りますわ」って立ち上がろうとしたから本題に入った。
「…明日、Aと放課後に会う約束してるんだ」
それまで俺の話に一切食いついてこなかった玉森の目が鋭くなった。
椅子に座り直す玉森。
「どういうことですか」
「…Aは、玉森も知ってると思うけど、大して好きでもない相手に思わせ振りな態度をとってしまうとこがあるんだ。悪かったな」
玉森は眉間に皺を寄せた。
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ayachoko(プロフ) - *カスミソウ*さん» カスミソウさん!(;∀;)こんな暗い話にもったいないくらいの嬉しいコメントありがとうございます(;_;)一気に読むの、大変でしたよね(^^;玉森先生Ver.も近々アップします!ほんとに嬉しいです(/_;)ありがとうございます(*≧∀≦*) (2017年9月1日 7時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
*カスミソウ*(プロフ) - 溺愛ロジックすべて読みました!とっても面白くて、一気に読んでしまい気づいたら4時間ぐらいたってましたwww新作のインモラルもドキドキですし、玉森先生Ver.も気になります!更新を楽しみにしております!応援しております!頑張ってください! (2017年8月31日 22時) (レス) id: 0fb920ca18 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ましろさん» ましろさんっ( ;∀;)嬉しすぎるお言葉ありがとうございます(。>д<)私もヤンデレ藤ヶ谷くんが大好きです(笑) (2017年8月15日 20時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 素敵な藤ヶ谷さんを描いて下さって本当に有難うございます!大好きです、このたいぴ(笑) 他の作品も次回作も楽しみにしています! (2017年8月15日 16時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ましろさん(*^^*)こんな駄作に優しいお言葉ありがとうございます(T^T)今後ドラマとかで狂った役とか藤ヶ谷くんにやって欲しいな〜(笑)好青年は興味なしです(о´∀`о) (2017年6月22日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年5月5日 8時