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2話 優々と、街に溶け込み黒蛍 ページ3






「やぁ、其にしても偶然だねぇ。真逆君に会うなんて。」

「ええ、今すぐにでも此所から消えたいと心から思いますね。太宰さん。」



えー、酷いじゃないかぁ、と項垂れる太宰を見て、少年、中島敦は混乱していた。
先ず、この学ランを着た少年は誰なのだろうか、太宰とは一体どんな関係なのか、ぐるぐると頭の中を駆け巡り交互に二人に視線をさ迷わせる。
瞬間、肩に手を置かれ油断していた敦はすっとんきょうな奇声を挙げ、一歩、肩に手を置いた少年から後ずさった。


「そんな警戒しないでくれ。僕の名前は、坂東A。こんな成りだが成人を控えた十九歳だよ。」

「えっ……あ、中島…敦です。」

「敦君か。君も苦労しているだろう?何せ、あの太宰さんが上司だ。」



自 殺愛好家何て、迷惑な趣味だよね。とやれやれと溜め息を吐きながらにこにこと笑う太宰に目を向けた。



「聞きたまえ敦君。彼、A君も実は異能力者なんだ。其も面白いものでね。」


にこり、笑いながら太宰は云った。
だが坂東は中島達に笑いかけながら口早に話し出す。


「太宰さん。僕は予定があります故、そろそろ此所から離れなければなりません。抑、貴方達も用事があるのでは?」

「いや、僕たちは全然……。」

「済まない敦君。僕の方が急ぎの用なんだ。異能のことは何れ、嫌でも知ることになるさ。」


心底済まなそうに眉尻を下げて云い、坂東はまたと告げて、街の人混みの中に又入っていってしまった。
彼の異能のことが気になる中島は、暫し坂東の背中を見詰めていた。そんな彼に、太宰がこう云う。


「異能のこと……気になるかい?」

「……まぁ、でも、何れは嫌でも知ることになるだろうって、坂東さんが。」

「……そう。」



人気の無い河川敷、ゆらゆらと揺らめく影が、陽炎のように未来の彼たちを想像し、嘲笑っていた。









「……申し訳御座いません、首領。只今戻りました。」



薄暗い部屋のドアが、勢い良く開かれた。其処で待ち構えていたのは、ポートマフィアの首領、"森鴎外"そして、



「坂東てめぇ、何処で油売ってた。」

「嗚呼、中原さん。小さくて見えませんでした。」




ポートマフィアの幹部、"中原中也"だった。



そう、坂東Aは只の何でも屋ではない。




「やぁ、坂東君。ポートマフィアの"何でも屋"君。」





3話 黒に育てられし我、蛍→←1話 我、坂東と名乗る蛍で有りまして



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綾舞町 - 小夜さん» レスが遅れて申し訳御座いません!有難う御座います。ぼちぼち更新して行きますが、皆様に楽しんで貰えるような作品にしていきます。 (2016年2月28日 18時) (レス) id: 4a08da8a5b (このIDを非表示/違反報告)
小夜(プロフ) - 楽しく読ませていただいています。更新頑張ってください。 (2016年2月27日 21時) (レス) id: 7f5dee31f8 (このIDを非表示/違反報告)
綾舞町 - 吾嬬さん» 誠にありがたきお言葉、光栄です。皆様の期待にお応え出来るような物語を書き綴って行きたいと思います。応援、宜しくお願い致します。 (2016年2月15日 21時) (レス) id: 4a08da8a5b (このIDを非表示/違反報告)
吾嬬(プロフ) - 続きが愉しみです 、更新頑張ってください (2016年2月15日 21時) (レス) id: b2b5f854fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾舞町 | 作成日時:2016年2月15日 21時

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