肉親との永遠の別れ ページ6
私は健太郎に背を向けると泉のところに戻った。
泉「…行くよ」
「……うん」
私はもう一度だけ振り返る。
乱闘になっている、Aristocracykillersの船中。
さようなら、私の家。
心の中で別れを告げるとこみあがってきた熱い何かを紛らわすように視線を戻した。
そして、海に飛び込もうとしたそのときだった。
健太郎「…ま、て…。行かせるか…行かせるかぁぁ！！」
「！？」
殺したはずの健太郎が起き上がって剣を振り下ろしてきた。
あ、ヤバい_____。
ズッ
お世辞にも良いとは言えない音が私の鼓膜を震わせた。
紅の血が一滴、二滴と落ちる。
「と、…うさ…ん」
私を守るようにして立った父さんの左胸には、健太郎の剣が刺さっている。
「な、んで……」
なんで、私を庇ったの。
父さんには、生きていて欲しかったのに。
言いたいことは沢山あったけど、目の前で起きていることを信じたくなくて、声が出なかった。
泉「、お頭！」
泉は健太郎にトドメをさした。
父「A…」
致命傷を負った父さんはその場に座り込む。
「父さんっ、父さん！大丈夫！？今すぐ手当てを_____」
父「いい」
父さんの静かな声に私は動きを止める。
「…なんで？なんでいいなんて言うの！？死んじゃうよ、父さんが死んじゃう！」
父「A」
泣き喚く私を父親らしく、見つめた。
父「父さんらしいこと、何もできなくてごめんな。
お前に武術、剣術しか教えることができなかった。その年だったら他の女と同じように恋したり、お洒落したり、遊びたかっただろう…。
海賊なんて、物騒なものやらせて、本当にすまなかった」
やめて、やめて。
私は、父さんが誇りだった。
恋とかお洒落とかよくわかんない。もしかしたら楽しいものかもしれない。
それでも私は、みんなとバカやって、下品に笑っていた毎日が大好きだった。
自分がAristocracykillersの船長の娘であることが、私の最高の自慢だった。
「…父さんは、私の誇りだよ。そんな風に思ったこと、一度もない」
そう伝えると、父さんは本当に嬉しそうに、幸せそうに笑った。
父「…そうか。泉、Aを頼んだぞ」
泉「っ、わかってるし」
父「じゃあ、行け」
トン、と軽く押された。
すっかり油断していた私は慌てて父さんに向かって手を伸ばした。
しかし、その手は宙を切った______。
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シナモンロール様(プロフ) - まやさん» ありがとうございます！面白くできていたのなら、嬉しい限りですね！更新頑張ります！ (2017年4月5日 18時) (
レス) id: 767371c296 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 面白かったです！ 一気に、今あるお話全部読みきってしまいました(^-^) 続きがとても楽しみです。更新頑張って下さい！ (2017年4月5日 17時) (レス) id: d78b0177e8 (このIDを非表示/違反報告)
シナモンロール様(プロフ) - 愛良さん» ありがとうございます！この作品のコメント初めてだぁぁ！泉がカッコよく見えたなら、とても嬉しいです！テスト勉強が落ち着き次第、更新させてもらいます！ (2017年2月18日 8時) (レス) id: 767371c296 (このIDを非表示/違反報告)
愛良 - 全部見させてもらってます！！あんスタ始めたばかりで全然みなさんみたいに知ってる訳ではないので偉そうに言えませんがとても感動しました！！この作品も泉くんのカッコ良さがすごい伝わってきました！！！続きを楽しみにしてます！！ (2017年2月17日 23時) (レス) id: a2f401b16e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊かるぴす＊ | 作成日時：2017年2月4日 22時
