ひよこ #182 ページ41
.
｢ 〜〜〜ッ!? ｣
私が振り上げた足は見事に零の股間に直撃。なんかこれ、前にもあったような...と思いを馳せているとやっと目が覚めたのか若干涙目で零は私を見た。
｢ す、すまなかったと思っているのじゃが...もうちょっと優しくて貰えんかの...？
吾輩このパターン2回目なんじゃけど... ｣
｢ それはごめん。でも、そう思うならやめてよ...私だって痛かった ｣
血と零の唾液がついている首筋を指差す。すまんすまんと謝る零は未だに涙目だった。ちょっとやりすぎてしまったかもしれない。
｢ 吾輩、朝とか弱いタイプじゃから寝ぼけてしまってのう... ｣
｢ もうやめてね、私だったから良かったけど他の人にやったら問題でしょ ｣
｢ お主が1番問題な気がするのじゃが...まあよかろう。何か用事かの？ ｣
そう聞かれて、ハッとここに来た目的を思い出す。
みんながどこで練習をしているか教えてほしいと言うとああそれならとそれぞれの場所を教えてくれた。移動している者もいるかもしれないと言われたけれど。
｢ ありがとう零 ｣
｢ いや礼には及ばんよ。...そういえば ｣
何か思い出したのか零は続ける。
｢ ...斎宮くんとは、まだ和解していないんじゃな ｣
斎宮。そのワードは久しぶりに聞いた。
多分、周りが私を気遣ってその名前を出さないようにしてくれていたのだと思うけど。
私はあの事件から、宗の顔さえも見ていない。学校に来ているのか、それさえもわからないし手芸部室にも足を運んでいない。あそこは彼との思い出がありすぎる。
以前は毎日のように会っていたのに。
自嘲気味に笑って、私は答えた。
｢ ...私は許されないことをした。みかくんにも、なずなにも.....宗にも。今更友達に戻ろうなんて、虫が良すぎるよ ｣
知らなかったとしても。そんなつもりがなかったとしても。私が彼らを傷つけた、それは紛れもない事実。この友情は戻らないし戻すべきじゃない。
私はそう言って笑む。でもうまくいかなくて、笑う顔に歪めただけだった。
｢ ...そうか。すまないの、嫌なことを思い出させた ｣
｢ んーん、気にしないで ｣
気遣うような瞳に笑って答える。
｢ ああ、あと。.......天祥院くんが、そう遠くない未来、帰ってくる ｣
｢ !! ｣
｢ 恐らく【S0】には間に合うじゃろう。彼奴が率いる【fine】は強いぞ ｣
｢ ...うん ｣
革命は、絶対に成功させる。
壊れた友の為にも。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 898人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ワルツ - 素晴らしい (2020年6月21日 19時) (
レス) id: cb21dd1047 (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - 透さん» ありがとうございます！更新速度ころころ変わりますが、どうぞよろしくお願いします。 (2020年4月14日 18時) (レス) id: 4fe8f05fec (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - とっても素晴らしい作品でした！！更新頑張ってください…！待っています(*^^*) (2020年4月3日 2時) (レス) id: a39e9ef544 (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - あんころ餅さん» ありがとうございます！一気読み大変だったと思います、お疲れ様です笑 ご期待に添えるよう頑張ります。 (2020年3月23日 22時) (レス) id: 4fe8f05fec (このIDを非表示/違反報告)
あんころ餅 - こんちには！！ひよこのワルツ最初っからイッキ見してしまいました！！とても面白いでス！！これからの展開にワクワクしてます！！更新大変かもしれないけど頑張って下さい！！他の作品もとても面白いでス！！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: cda0ebd32a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あるみかん x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=48be83eaada675e79ed496ea5cdf8f4f...
作成日時：2019年8月2日 23時
