ひよこ #25 ページ27
.
この場にいる全員の視線が私に注がれる。
困った...。
本当に、ないんだよ。
みんな無事だし、私も何もなかったし。
ううーん、と頭を悩ませて、あることを
思いついた。
「 ...じゃあ、 」
少し緊張しながら、口を開く。
「 3人のこと、名前で呼んでもいい? 」
しーん。
私がそう言うと、教室が静寂に包まれた。
...えっ。
「 ...そんなんで、いいのかよ 」
「 そ、そんなん!? 」
朔間くんに「そんなん」と言われて、
少しショックを受ける。
「 俺は、大歓迎だ!! 」
「 俺もだ 」
「 ...俺も別にいい、っていうか前から呼べって言ってるし 」
3人の了承をもらって、思わず顔が緩む。
...まあ、私が言えるかが問題なんだけど。
「 え、と____ちあき 」
まずもりさ...千秋の名前を読んでみる。
ぶわっと顔が赤くなるのがわかった。
少し目線を上に上げると、千秋も真っ赤だ。
「 お?守沢クン真っ赤だなぁ? 」
「 おいおい、冷やかすんじゃねえよ 」
にやにやする朔間くんを見て、鬼龍くんが苦笑する。
なんか、すごくむず痒くて、恥ずかしくて、
嬉しい。
「 く、紅郎くん 」
「 おう 」
名前を呼ぶと、紅郎くんは優しく笑った。
うーん、余裕あるなぁ。
「 お前、守沢みたいに面白いリアクション
しろよ 」
「 俺は守沢ほどピュアじゃねえんだよ 」
「 お前たち!馬鹿にしてないか!? 」
ぎゃいぎゃい騒ぐ3人。
思わず、笑みがこぼれた。
さっきから空気になってる鈴木くんは、
魂が抜けたように座り込んでいるけど。
「 じゃあ最後、俺の名前呼べよ 」
妖艶な笑みを浮かべる朔間くん。
これ、本当に高校生?
「 れ、れい____っわ!? 」
名前を読んだ途端、腕を引っ張られて
さく...零の胸にダイブ。
「 お呼びですか、『お姫サマ』? 」
至近距離でそんなことを言われたら、
たまったもんじゃない。
唇と唇がくっつきそうなぐらいの近さで、
零は悪戯に笑う。
ぼんっ、と音がしそうなくらいに顔が赤く
なった。
「 あっ、朔間!Aに何してるんだ! 」
「 焦んなよ、男の嫉妬は見苦しいぞ〜? 」
「 誰のせいだよ 」
再び騒ぎ始める3人。
本当に飽きないなあ、と思いながら、
まだ冷めない頰を手でおさえた。
.
1070人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あるみかん(プロフ) - 優樹菜さん» うわああああ!申し訳ございません、前回他の方にも注意して頂いていたのに…すぐに紅郎に修正いたします! (2017年11月26日 20時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
優樹菜 - #30話で気づいたのですが、鬼龍のしたの名前は、九郎ではなく、紅朗ですよ!(たしか)これからも更新楽しみにしてます! (2017年11月26日 8時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - p−−さん» ありがとうございます!楽しんでいただけてとても嬉しいです!頑張って更新するので、待っててくれると嬉しいです! (2017年11月23日 21時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
たまたま(プロフ) - 初コメ失礼します!とっっっっても面白い!です!笑一気に読んじゃいましたwもう、続きが楽しみすぎてヤバいです!これからも更新頑張ってください*\(^o^)/* (2017年11月23日 20時) (レス) id: 0907e86698 (このIDを非表示/違反報告)
p−−(プロフ) - ですね! (2017年11月6日 21時) (レス) id: 3280412425 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*かるぴす* | 作成日時:2017年8月24日 11時