ひよこ #20 ページ22
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「 __ふ〜ん。そんで犯人にされたワケだ 」
プリントやノートを運びながら事情を説明すると朔間くんは興味なさげに言った。
「 朔間くんが聞いてくれる、っていうから
話したのに... 」
「 わーってるって。ちゃんと聞いてた 」
ぽんぽん、と頭を撫でられる。
小さい子扱いされてるみたいだ。
「 まあとりあえずさ、常に誰かと行動してろよ。危ねえから 」
「 わ、わかった 」
鈴木くんにお願いしようかな、と思う。
彼は朔間くんと同じで、きっと聡い人だから。
「 じゃあな、頑張れよ 」
ノートとプリントを資料室に置くと、
朔間くんは背を向けて歩き出す。
「 ___あ、あのッ!! 」
引き止めなきゃ、と反射的に大きい声を出す。
朔間くんは顔だけこちらに向けた。
「 あ、ありがとう!! 」
柄にもなく大声を出したからなのか、
恥ずかしさからなのか。
顔は真っ赤だ。
そんな私を見て、朔間くんはフッと笑った。
先程までの子供っぽい笑みじゃなくて、
大人びた微笑。
「 おう 」
それだけ言うと、朔間くんはどこかに行って
しまった。
「 ____川崎さん! 」
後ろから私を呼ぶ声がした。
声の主は、鈴木くん。
「 荷物、大丈夫だった?流石に女の子1人で
あれはキツイかな、って思ったんだけど... 」
「 大丈夫だよ、ありがとう 」
私がそう言うと、「そっか」と優しく笑った。
良い人だなあ。
「 そうだ、お願いがあるんだけど 」
「 ? どうしたの? 」
「 疑いが晴れるまで、私と行動して欲しいんだ 」
これは、我儘すぎたかな。
そう思っていると鈴木くんはにっこりと笑った。
「 もちろん、いいよ! 」
「 ...ほんと?いいの? 」
ダメ元で頼んだから、思わず目を瞬かせる。
「 うん。だって、やってない人が犯人扱い
されるのはおかしいと思う。
僕も協力するよ 」
「 ありがとう! 」
ぼっちになるかと思ってたけど...鈴木くんも、
朔間くんも。
信じてくれる人が2人もいる。
それに...鬼龍くんと守沢くんとも話したい。
守沢くんは、何か言いたげだった。
なんて、言おうとしたんだろうか。
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あるみかん(プロフ) - 優樹菜さん» うわああああ!申し訳ございません、前回他の方にも注意して頂いていたのに…すぐに紅郎に修正いたします! (2017年11月26日 20時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
優樹菜 - #30話で気づいたのですが、鬼龍のしたの名前は、九郎ではなく、紅朗ですよ!(たしか)これからも更新楽しみにしてます! (2017年11月26日 8時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - p−−さん» ありがとうございます!楽しんでいただけてとても嬉しいです!頑張って更新するので、待っててくれると嬉しいです! (2017年11月23日 21時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
たまたま(プロフ) - 初コメ失礼します!とっっっっても面白い!です!笑一気に読んじゃいましたwもう、続きが楽しみすぎてヤバいです!これからも更新頑張ってください*\(^o^)/* (2017年11月23日 20時) (レス) id: 0907e86698 (このIDを非表示/違反報告)
p−−(プロフ) - ですね! (2017年11月6日 21時) (レス) id: 3280412425 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*かるぴす* | 作成日時:2017年8月24日 11時