検索窓
今日:8 hit、昨日:26 hit、合計:677,384 hit

ひよこ #20 ページ22

.






「 __ふ〜ん。そんで犯人にされたワケだ 」



プリントやノートを運びながら事情を説明すると朔間くんは興味なさげに言った。



「 朔間くんが聞いてくれる、っていうから
話したのに... 」

「 わーってるって。ちゃんと聞いてた 」



ぽんぽん、と頭を撫でられる。

小さい子扱いされてるみたいだ。




「 まあとりあえずさ、常に誰かと行動してろよ。危ねえから 」

「 わ、わかった 」



鈴木くんにお願いしようかな、と思う。

彼は朔間くんと同じで、きっと聡い人だから。





「 じゃあな、頑張れよ 」



ノートとプリントを資料室に置くと、
朔間くんは背を向けて歩き出す。




「 ___あ、あのッ!! 」



引き止めなきゃ、と反射的に大きい声を出す。


朔間くんは顔だけこちらに向けた。





「 あ、ありがとう!! 」




柄にもなく大声を出したからなのか、
恥ずかしさからなのか。

顔は真っ赤だ。




そんな私を見て、朔間くんはフッと笑った。

先程までの子供っぽい笑みじゃなくて、
大人びた微笑。




「 おう 」


それだけ言うと、朔間くんはどこかに行って
しまった。






「 ____川崎さん! 」



後ろから私を呼ぶ声がした。

声の主は、鈴木くん。




「 荷物、大丈夫だった?流石に女の子1人で
あれはキツイかな、って思ったんだけど... 」

「 大丈夫だよ、ありがとう 」




私がそう言うと、「そっか」と優しく笑った。

良い人だなあ。




「 そうだ、お願いがあるんだけど 」

「 ? どうしたの? 」

「 疑いが晴れるまで、私と行動して欲しいんだ 」




これは、我儘すぎたかな。

そう思っていると鈴木くんはにっこりと笑った。




「 もちろん、いいよ! 」

「 ...ほんと?いいの? 」




ダメ元で頼んだから、思わず目を瞬かせる。




「 うん。だって、やってない人が犯人扱い
されるのはおかしいと思う。

僕も協力するよ 」




「 ありがとう! 」





ぼっちになるかと思ってたけど...鈴木くんも、
朔間くんも。

信じてくれる人が2人もいる。



それに...鬼龍くんと守沢くんとも話したい。

守沢くんは、何か言いたげだった。



なんて、言おうとしたんだろうか。







.

ひよこ #21→←ひよこ #19



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (511 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1070人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あるみかん(プロフ) - 優樹菜さん» うわああああ!申し訳ございません、前回他の方にも注意して頂いていたのに…すぐに紅郎に修正いたします! (2017年11月26日 20時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
優樹菜 - #30話で気づいたのですが、鬼龍のしたの名前は、九郎ではなく、紅朗ですよ!(たしか)これからも更新楽しみにしてます! (2017年11月26日 8時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - p−−さん» ありがとうございます!楽しんでいただけてとても嬉しいです!頑張って更新するので、待っててくれると嬉しいです! (2017年11月23日 21時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
たまたま(プロフ) - 初コメ失礼します!とっっっっても面白い!です!笑一気に読んじゃいましたwもう、続きが楽しみすぎてヤバいです!これからも更新頑張ってください*\(^o^)/* (2017年11月23日 20時) (レス) id: 0907e86698 (このIDを非表示/違反報告)
p−−(プロフ) - ですね! (2017年11月6日 21時) (レス) id: 3280412425 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*かるぴす* | 作成日時:2017年8月24日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。