速報！プロデュース科の問題児が全力疾走中！７

速報！プロデュース科の問題児は全力疾走中！ ページ23

.




「うお、出た」

「出たとはなんだ！
ほら、キューティクルマイハニーお祭りわっしょいしろよ！」

「何言ってんの？？」



黒髪を腰まで伸ばし、いつしかの変態仮面のように編み込みを一本作った彼女が4人の中に加わった。



「もうすぐ【Trickstar】結成7周年記念ライブでしょ！
準備はオッケー？私はべりべりぐっちょぶ！」

「聞いてない。準備は万全だ、いつでもいける」

「年々ホッケーが冷めていく！！」



うるさいぞ、とホッケーと呼ばれた男…北斗は眉をひそめる。



「ていうか、安定期に入ったからって妊娠してるんだからあまり騒がない方がいいんじゃない？
ただでさえ仕事とかしてさ〜、ヒヤヒヤしてるんだから」


「仕事っていうか様子見に来ただけじゃーん、大人しくしてるよ！」

「こいつ、7周年記念ライブは絶対行くんだって聞かなくてさ〜…」

「だって、特別な日じゃん、今日は！
プロデューサーとして見逃せないね！」

「わかったから、静かにしよう？妊娠してるってこともっと自覚しようよ」



呆れたように、眼鏡をした男は彼女を宥める。

これでも心配しているのだろう。



「__お前たち、お喋りはそこまでにしよう。俺たちのファンが待っている」



北斗の声ですっ、とその場は静かになる。




「俺たちは、日本一のアイドルになった。が、【Eden】や【fine】、【knights】や【流星隊】…他にもあるが、強敵はまだまだいる。
油断はできない。


だが、今日だけは純粋に楽しもう。
俺たちにとって、特別なこの日だけは」




北斗の言葉にそれぞれこくりと頷く。




「俺たちは5人で【Trickstar】だ。
1人でも欠けたら、輝けない。

______行くぞ！！」



「おう！！！」





1人ずつだしたピースをくっつけて、星のようにする。

彼のかけ声でその手を振り上げた。






__私たちは、5人で【Tricstar】だ。




それは変わらない、いつまでも。

5人で、さらなる高みへ、夢へ。

全力疾走していく。









.

あとがき→←問題児のその後

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す