33.不安と期待は紙一重 ページ34
懐かしさと、期待と、不安。
私はそのどれもに当てはまっているような気がした。
あの5人に会える…！という期待。
約束、忘れられてないよね…。という不安。
そして、あの5人との記憶が全て蘇るような、懐かしさ。
私、今まで何で5人のことを調べなかったんだろう…
もしかして…会いたくなかった？
心で、会いたいと思っていても、
脳がストップしてた？
私が、臆病だから？
もしかして…私のことを忘れて5人で楽しんでるのかも、なんて
どこかそう考えていた？
私はどこまで最低な女なんだろう。
会いたくて、逢いたくて仕方がなかったのに、
せっかく二宮さんが調べてくれたのに、
それを無駄にさえしてしまうようなことを考えているのだろう。
なんて考えていたら、
あっという間に体育祭当日が来てしまった。
私が出るのはリレーと、短距離。
どちらも走る競技で、疲れることは間違いないけれど、
母も来ている。
(父は忙しいので欠席)
生徒会の仕事もこなし、
リレーや短距離のことも頭に入れつつ、
やはり脳の7割を占めているのは《LIGHT》だった。
飛行機の都合もあり、来るのが午後かららしい。
それでも、頭には不安という文字で埋め尽くされていた。
和「おーい。起きてる？
これから潤くんと見回り行って欲しいんだけど。」
「…あっ、はい。」
潤「あ！佐貫！ほら来いよー！」
「あっ、うん！今行く！」
体育祭の最中は、生徒会の人のみが入れる事務室。
冷房が効いていて、とても、涼しい。
ずっとそこにいたからか、
外がやけに暑く感じた。
潤「今日あっちぃな…
ね、今日来る子達のこと、考えてるでしょ？
フラットに行きなよ。
不安と期待は紙一重ってね！
ふはは、これおーのさんの受け売りなんだけど。
今の佐貫にはこの言葉がいいかなって。」
不安と期待は紙一重…。
確かに、そうだ。
人は、期待と共に不安を覚える。
この服、結構可愛いし、自分に似合ってる！
と思うのに伴い、
そう思ってるの、自分だけだったらどうしよう…
と、不安を感じる。
自分が抱えているこの思いも、
正常なことなのかもしれない。
…そう思えた。
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作者名：彩瑛 | 作成日時：2018年9月1日 16時
