２.完璧な人生計画 ページ2
ほかの人よりかは裕福な家で育った私。
宇佐美 A。２６歳。
私には、一年前まで実行していた完璧な人生計画がある。
10歳。
ピアノのコンクールで全国優勝。
叶えた。
12歳。
女子校第1位、Ｏ中学校に入学。
これも叶えた。
18歳。
私立で有名なＫ大学に入学。
これも叶えた。
22歳。
首席で卒業。
これも叶えた。
全部叶えてきた。
大学の時には、それなりにイケメンな人と付き合ってきた。
両親ともに美貌を兼ね備えていたし、
周りの人に、「Aちゃん、可愛いね。」
と言われて生きてきたから、顔には少し自信がある。
計画を叶えられなかったのは、雅紀を手に入れられなかったことだけ。
悔しい、そう思いながら下を向いてスーパーで晩御飯の材料を買いに。
「お嬢さん。」
ふとした声に。
顔を上げる。
「下を向いてちゃ、せっかくの可愛いお顔が台無しだよ。」
そう、言うのは、パティシエで有名なあの、二宮和也・・・。
「なぁ〜んてね。
可愛いのはほんとだけど、下を向いてちゃ危ないよ。
気を付けてね。」
そう言って二宮和也は去った。
いや、去ろうとした。
二宮和也は振り返って、
「またね、宇佐美Aちゃん。
うさちゃん。」
二宮和也は、なんで私の名前を知ってるのだろう・・・。
私が、女優兼モデルだから？
そこそこ有名にはなったけれど・・・。
テレビを見ない、で有名な彼が知っているものなのだろうか・・・。
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作者名：彩瑛 | 作成日時：2018年6月23日 20時
