動き出す恋の時間

衝撃の8.25事件 side F 3 ページ6

「お前は、俺のハニーだ。」

…ちょっと待って。それはやばい。
そんでもって嬉しいとか思っちゃってる俺がやばい。

顔が赤くなっていくのがわかる。
慌てて拳で口元を押さえ、目をそらす。

そんな俺の反応を見てか、中島が慌てて付け足す。
「今日は！今日は、お前もハニーだから。」

なんか言い直されると逆に照れるんですけど。

「はぁ、それはどうも。」
照れ隠しに、つい素っ気ない返事。
中島はふふっと笑った。つられて俺も笑う。

「ホントに、嬉しかったよ。お前が来てくれて。」
素直な中島の言葉に、俺も素直に頷く。

「まあ驚きすぎて、ピアノミスりそうになったけど。それは、菊池のせいだから(笑)」
「意味わかんねーんだけど(笑)」

いつ以来だろう。
こんな普通に笑い合って、2人で話すのって。

さりげなく菊池呼びに戻っていることに、ちょっと残念がってる自分がいる。
残念ってなんだよ。そうしたのは俺なのに。


もう一回、風磨って呼んでほしい。


…おいおいちょっとストップ。
どうした、俺。
本格的にやばくね？

中島相手に可愛いと思ったり、赤面したり、ハニーとか言われて喜んだり、名前で呼ばれたいと思ったり。

これじゃあ本当にただの中島のハニーじゃねえか(笑)


少しぎこちなく、だけど素直に、俺は中島に今日の感想を伝えた。
中島も熱心に聞いてくれて、なんだかデビューしたての頃の俺らに戻ったような気分になる。

やっぱり、しっくりくるな。
中島と俺って、多分めちゃめちゃ合うんだよ。
いや性格とか好みとかじゃなく。

ジュニアの頃から感じてた、俺の隣にはこいつしかいない、って感覚。
久々に思い出した。


お互い忙しいこともあって、あまり長くはいられなかった。ざっと近況を報告し合って、俺は中島の楽屋を出る。
名残惜しい、って思ったけど、気づかないふり。これ以上いくと、マジで俺やばいもん。


通路を歩いていると、携帯に一件のメッセージが届いた。差出人は勝利。

『健人くんのソロコン行ったって本当！？』

情報速すぎるだろ(笑)
誰だぁ、早速うちの勝利くんにチクったのは(笑)

勝利には、迷惑をかけてる。
俺と中島が話さなくなって、松島とマリウスが離されてしまったときも、いつも俺らの間に立ってSexyZoneを繋げてくれた。

そろそろ、ちゃんとしないと。
もう大丈夫って、勝利にお礼をしないと。


だけど、勝利ごめん。
俺、中島に新しい感情が生まれそう。
今よりさらに面倒なことになりそう(笑)

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