in菊池家 sideF ページ29
エプロンを付けて、食材を取り出す。
あー、やばい。こんな緊張する料理、初めてかも。
チラッとリビングに目をやると、物珍しそうにこちらを眺める中島がいた。
リクエストはオムライス。俺の得意料理。
前に番組か何かで言ったことを覚えてたのか？
なんかちょっと嬉しくなる。
本当の事を言うと、中島を家に連れてこようなんて考えてはいなかった。
都心の方に気になる店があって、そこに行こうと思ってたのはホント。
けどタクシーに乗って、そこに向かってる途中外を見て気づいた。
あれ、今日人多くね…？
で、よく考えたら、日曜日だったんだよね。
流石に俺と中島が二人で歩いてて、気づかれない自信はなかった。
普段ならそれでも別によかったかもしれないんだけど、デート、したかったからね。
邪魔されたくないし。
急きょ行先を変えて、俺の家に向かった。
中島はすぐに寝ちゃってたから、途中で変更したことには気づいてないっぽいけど。
俺ががっついてるとか思ってそう。
そりゃそうだよな、告白したその足で自宅に連れ込むなんて。
一人で悶々とそんなことを考えていたら、突然目の前に中島がいることに気づいた。
「うっわ！」
「ねえどうかした？ぼーっとしてるけど。」
上目づかいで覗き込んでくる。やめろ、可愛いから！
慌てて手を動かす。
カウンターキッチンになっているのをいいことに、中島は目の前の椅子に腰かけてにこっと笑った。
「ここで見ててもいー？」
う。
なに、それ。
女の子顔負けの可愛さじゃない？
なーにが王子だ。どっちかって言うと姫じゃねえか。
「まさかねー。おうちに連れてきてくれるなんてねー。」
ふふふっ、と笑って言った。
「風磨んち初めて。嬉しいー！」
ああもう、なんでそんなに可愛いの…！？
手元が狂いそうになる。ちょっと黙っててほしい(笑)
「風磨会の子たちがさ、菊池家に泊まったーっていつも話してて、ちょっと羨ましかったんだよ、ホントは。」
俺が返事をしないのはお構いなしに、中島はどんどん続ける。
「俺は風磨と一番長い付き合いなのに、お互いの家に遊びに行ったことなかったじゃん。だからやっと来れた、って感じがする！」
俺の胃のあたりが嬉しすぎてカエルのように飛び跳ねてるのは置いておいて。
よくもまあそんな歯が浮くような嬉しいセリフを、照れもせずに言えるもんだ、なんて思って顔を上げると。
そこには、真っ赤になった中島の横顔があった。
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かめみつ(プロフ) - 初めから最後まで一気に読んでしまいました！なんて健人が可愛らしいの！女子より乙女な健人がとにかく可愛くて大好きです。あんなにイケメンなのに中身はふあふあで暖かいぬいぐるみの様です。風磨でなくてもギュッと抱きしめたい気持ちです！続きが読みたいです！！ (2017年3月5日 10時) (
レス) id: 966c4a26de (このIDを非表示/違反報告)
えなちょす。(プロフ) - 更新お疲れ様でした！とても読んでて楽しかったです！他の作品の更新も頑張ってください！ (2017年3月1日 22時) (レス) id: 868e71d769 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 更新お疲れ様でした！ 続編も楽しみにしています！ (2017年3月1日 21時) (レス) id: fbd987be71 (このIDを非表示/違反報告)
ふーにゃん - おうち!!いいですねぇ♪バカップルですねっ(/-＼*) (2017年2月27日 17時) (レス) id: e9ef864682 (このIDを非表示/違反報告)
ふーにゃん - すごいリアルのふまけんらしくてめっちゃにやけちゃいます(//∇//)これからも楽しみにしてます♪ (2017年2月8日 7時) (レス) id: e9ef864682 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんこつ | 作成日時：2017年1月27日 2時
