聖杯大戦33 ページ8
今はもう使われていない教会に泣きわめく声が高く大きく響く
「あぁ、ごめんね、ごめんね...」
母親らしき女性は赤子に対して謝罪をしている
祈りを捧げるように両手を組み涙を流す
ああ!貴方を育てられない私にどうか罰を!
その分、貴方に多くの幸福と妖精の祝福を...
そう言うと天上の妖精を彼女の側に置いて女性は教会から立ち去った
その一部始終を見ていた者がいた
「やれやれ、こんな赤子を置いていくとは」
赤子は泣くことをやめず、一人泣いている
「ほ〜ら!泣かない泣かない!」
彼の手から、足元から花が咲き赤子は機嫌を良くしきゃっきゃっと笑っている
だが、その呼吸は浅く小さく手に触れてみるとだんだん冷たくなってゆく
きっともう、助からない
「本来なら何もしない方がいい、だけれど...」
この小さな命に宿った、自分と同格の力をどうすれば良いのか
扱えたのならこの子は生きていけるかもしれないのに...使い方もわからず、死にゆくのか
だからと言って易々と助けることは出来るが、相手は人間であって干渉しない方が、と頭の中で否定と肯定が混じり合う
ふと、赤子の横に置いてある物に目がいく
たしか女性が置いていったものだ
それを見て彼は決めた
うん、これでいい!いや、これがいいとも!
少しばかり私が痛い目にあうが見返りがあると思えばそんなものは無いに等しい
今は飾りとなしている剣を出し少し指先に掠めると、ぷくりと血が浮かぶ
それを呼吸の浅くなっている赤子の口に含ませ魔力を込める
すると笑っていた赤子は泣き出しそうな顔になる
「大丈夫、君は助かる」
しかし天上の妖精とは考えたものだ、と彼は思う
天上の妖精とは別名で秘境の地に咲く花である
ブルーポピーとも呼ばれるその花を手に入れるためにどれだけ苦労したことだろう
だから、この花に免じて助けることにしよう!
その代わりに君は人間ではなくなるよ
私も少しばかり罪が増えるなぁ
だから、君に名前を与えることを許してくれないかい?大事な大事な、私の弟子
新たな命が芽吹いた日
この日、Aは人間ではなくなった
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おまめ。 - 同じfateシリーズではありますが、FGOとApocryphaは別作品なのでFGOタグの削除お願いします。 (2018年1月20日 21時) (レス) id: 4d1c638e46 (このIDを非表示/違反報告)
ユア(プロフ) - 焼きまんじゅうさん» すみません、忘れてました!教えてくださってありがとうございます!これからも頑張ります!! (2018年1月4日 21時) (レス) id: a69a55f457 (このIDを非表示/違反報告)
焼きまんじゅう(プロフ) - コメント失礼致します。『オリジナル作品』になって居ます、二次創作物のですので前作と同じ様にタグ付けしなければ消されてしまいます……。この物語の更新を毎度楽しみにして居りますので、これからも頑張って下さい! (2018年1月4日 20時) (レス) id: 1eccbbab7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユア | 作成日時:2018年1月4日 20時