教えてあげて、サルトルさん【五条悟】

決心 ページ25

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会社で寝泊まりし始めて、約1週間。





寝ても覚めても仕事仕事で、精神が崩壊しかけている今日も、私は一番乗りで社内のパソコンを開いていた。









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「一ノ瀬、今日もミスないな」


「…珍しい」




そんな失礼なことをコソコソ話す先輩たちを横目に、私はデスクに置いてあるスマホの着信履歴を見て、また小さく溜息をつく。








「102件…」



もちろん、着信は全て悟からのもので、恐ろしいほどの数にゾッと体を震わせながら、私はスマホに表示された日付を見る。









もし五条さんが前に言っていた予定通りなら、今日が悟のお見合いの日。



他のことを考えないように必死に頭を動かしていた私は、普段の仕事以上に作業が捗り、馬車馬のように扱き使われていた。









「なぁ、体調でも悪いのか？」


「…どういう意味だコラ」




昼休憩まで後1時間と、気合を入れてもう一度ディスプレイに向き合えば、からかうように横から現れた同期。









「また一段と疲れてんな〜」



そう笑って私の肩に手を置くソイツは、先に休憩に入るつもりなのか、片手にお弁当を持っていた。



何やら可愛らしいその包みから、彼女がやってくれたんだろうなぁと恨めしい気持ちになった私は、さっさと休憩行けと追い払う。











実は、化粧品が好きなことから、高校を卒業して化粧品の会社で企画を担当している私。









「ん？お前ここの数字間違ってね？」


「え、」



昨日から頑張って作っていた資料のページだと言うのに、数字が一つずつズレており、私は絶望して半泣きになりながらパソコンを弄る。









「あ、ミスった最悪。

待ってこっちは消えないで！！！」


「ちょ、一旦落ち着けよ」




そんなイライラしてなかなか進まない私を見かねて、お前も昼行こうぜと誘う同期に、お腹が減ったから上手くいかないんだと言うことにして、私も食堂へ向かった。









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