教えてあげて、サルトルさん【五条悟】

変化 ページ15

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「…なぁ。弟ってこんなことすんの？」





体をゆっくり起こして、私の頬を撫でる悟。



恋愛初心者どころか、土俵にすら立ったこともない私は、全く体を動かせなくなってしまい、悟の手がするりと首まで下がるのを許してしまう。









「俺、待つの嫌いなんだけど」




そう言って、艶っぽく私の目を見据える悟は、もう一度ゆっくり首筋を撫で上げ、私の左耳にそっと触れた。









「…っ」




なんだか擽ったくて、反射的にギュッと瞼を閉じれば、悟の喉が動く音が聞こえる。









「…悟とは、付き合えないよ」





この手のことに馴れているのか、流れるような一連の動作に若干胸が痛くなるのを感じつつ、私は絞り出すように声を発する。




遊園地の時みたいにバクバクとうるさくなる心臓の音に、バレているんじゃないかと不安になった私は、じっと悟のビー玉みたいな瞳を見つめ返す。









「さと」





そう名前を呼ぼうと口を開けば、突然、悟の白くて細い指が私の唇をなぞった。









…あれ、ヤバくない？この状況。






今更ながら危機感を感じた私は、咄嗟に悟の胸に手を当てて握りしめるが、いつまで経っても予想していた衝撃は訪れない。









「いい加減、ガキ扱いやめろ」








普段より数トーン低い声でそう吐き捨てた悟は、まだ来たばかりだと言うのに、私の家を出ていった。









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