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指定されたファミレスにAさんは居た。
ただ店内ではなく駐車場にその姿はあった。
「Aさん」
声を掛けると振り返るAさんの仕草から目が離せなくて
あの瞳にやっと自分が映ると思うと心が踊って
苦しくなるほどだった。
「え‥‥」
けどそんな思いは一瞬で消え去った。
「どうしたんっすか」
俺を見たAさんは瞼に涙を抱えていて
頬には涙の跡があった。
悲しみなのか怒りなのか、悲痛に溢れるその表情に
胸が締め付けられて自然と彼女の頬に触れようとすると
パチン‥ー
と乾いた音がしたと思ったら頬にじんわりと痛みの熱が広がる。
「これはリョウマを叩いた仕返しだから」
彼女は悲しみも怒りも抱えていたんだ。
「余計な事しないで」
「でも、Aさんあの人はっ‥」
「廉くんには関係ないでしょ‥！もう二度と私にもリョウマにも近づかないで」
こんな状況でも諦めるなんて出来なくて
愛しくて、切なくて、
ただ俺の全部であなたを守りたいんだ。
背を向けて歩き始めたAさんの腕を掴んだ。
「行かんといて‥下さい」
「離して‥！」
「Aさんは俺が誰よりも愛しますからっ‥」
抱き締めると相変わらずの華奢な体と香りに
また好きが溢れて喉から手が出るほど欲しくなる。
「無責任な事言わないで‥どうせ廉くんだって離れて行くのよ」
抵抗する力が弱まったと思ったら
肩に温かい雫がいくつも落ちてきて、すぐ冷えた。
どうしたら思いは伝わって
彼女を悲しませる全てのものから守れるんだろう。
「責任、とりますよ。約束します、だから俺と‥‥」
またいつもと同じ。まだ伝えきれてないのに
Aさんは俺の腕からすり抜けて帰って行った。
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きゅん(プロフ) - このお話の廉くん可愛すぎます！廉くんがブンブンしっぽ振ってるのが想像できて、それを考えてはニヤニヤとしています！いつも素敵な作品をありがとうございます！更新頑張ってください！ (2019年10月14日 1時) (
レス) id: 024a42f5a5 (このIDを非表示/違反報告)
初子(プロフ) - 面白いです、更新楽しみにしてます！ (2019年10月14日 0時) (レス) id: e87bce962c (このIDを非表示/違反報告)
みょん氏(プロフ) - さちままさん» コメントありがとうございます！更新遅い方ですがなるべく毎日更新はしたいので待っていて下さると嬉しいです！ (2019年10月12日 22時) (レス) id: 3e1e1a76ac (このIDを非表示/違反報告)
さちまま(プロフ) - このお話の展開が楽しみです。更新待ってます。 (2019年10月12日 17時) (レス) id: 8b1ec69824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みょん氏
| 作成日時：2019年10月12日 14時
