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朝からまともにAの顔を見られなかった。
全くの自業自得というか、Aになんの非もない。むしろあいつは被害者と言っていい。



















心配かけてすまない、もう大丈夫とその時は思っていた。Aも安心して寝室で眠りについた。

眠りが深くなった頃、俺はプレゼントを持ってAの部屋に入った。これまでの経験上、自分の気配を消すことは造作もない。

「(枕元にプレゼントを置くか。しかし…)」

こいつ部屋に鍵もしてなかったぞ。俺だからいいが、同じ家に男が居る女とは思えない程危機管理能力が…、いや、こいつに限ってそれはないのか?ならそれだけ俺に信頼を置いているということか。


それは、……どうなんだ。


いや、どうとはなんだ。喜ばしいことだ。いやしかしそれでもやはり一定のラインを引くべきで。だって今現に俺はやろうと思えばこいつを押さえ込んで好きに、

「、何考えて、るんだ…………」

そんなことしたら、俺を汚したあいつと同じだぞ、いや、しないが。第一、大切なAにそんな………………




…………大、切。









『………ん、ぅん……………』

「!!!(うわっ、落ち、)」

急に寝返りを打ったAの声に俺は急に現実に引き戻された。と同時に驚いて手に持っていたプレゼントを落としそうになる。

前に倒れそうになりながらもベッドの枠を支えになんとかなった。

「(あ、あぶなか………)」









目の前に、無防備なA。









その時、俺はなんでかわからないが無性に腹が立った。




くそ、ちくしょう、





このままキスしてやろうか






こんなに無防備に。






俺ばかり意識して、






俺はこんなにもお前のことが好きなのに。

















「は?」






『…………ん、』


「!!」



そこからは、なんとなく記憶がぼんやりしている。気づいたらリビングに居て、左手にはプレゼントが。また渡せなかった。


それよりも、それよりもだ。



















俺は




Aのことが、好き…………?

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作者名:ばんぶー | 作成日時:2020年12月6日 4時

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