こんにちは、52。 (ページ3)

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『あら、早いのね。おはよう』

朝６時にリビングへ顔を出すと、彼はすでに起きていた。

まさかずっと起きていた、なんてないだろうか。心配だ。

『朝食を食べたら今日こそお話をしましょう』

「ああ。」

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『さて、変な嘘はつかないでちょうだい。すぐわかるわよ。』

そう言うと、彼は机を少し睨み付けるような表情になった。

「………本当のことを言っても信じられない」

『信じるかどうかは私が決めるわ。ほら。』

「……………俺は、」

違う世界の人間、

焔ビト、

『そう、別の世界。』

「………」

『なら、やっぱり住む所がこの世界ではないのね。』

「！？…………信じるのか？普通頭おかしいと思うだろ、なぜ簡単に信じる！！」

『だってあなた、本当のことを言っているもの。目をみれば分かるわ。でもまだ話してないこともある。』

「……！」

『今の話、貴方がその世界でどう育ったとかは一ミリたりとも触れなかった。触れてほしくないのね。無理に話さなくていいわ』

私はお茶のおかわりをキッチンに取りに行った。うちはリビングキッチンになっていて、リビングからキッチン、またその逆でもお互いの様子がわかる。

彼はまだ動揺しているようだ。

『ね、うちに居ればいいじゃない。私一人暮らしだから、最近少し寂しかったのよね。』

「……………お前は、お人好しだな。」

『そうかしら。多分貴方が私のお金を狙ってる人じゃないから、ここまでするのかもしれないわ』

これから一緒に住むんだし、少しぐらい私の話をしようか。

紅茶をついで席に戻る。

『私、竜村Aは、いわゆるお金持ちの子なのよ。でも勘違いしないでちょうだい。お金は無駄にはしないわ。貯金が趣味なの。』

『でも周りによってくる人たちは私のお金を目当てに来るのよ。』

(僕と付き合ってよ、君が好きなんだ)

嘘つき

(私たち、お友だちでしょ？)

嘘つき

でも取り繕わないともっと面倒になる

『だからね、私少しだけどそんな人にお金を渡して生きてきた。みんな満足そうだったわ。そうやって、人間関係を買っていたの。』

『でも貴方はその人たちと全く別の目をしている。私にまったく媚びようとしてない。』

『だから私、貴方のことが綺麗だと思うわ。綺麗な人間は助けられるべきよ。

ね、だから一緒に住みましょう？』

暫く考えて一言

「……世話になる」

と返してくれた。