五十一人 ページ9
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『キーンコーンカーンコーン』
授業の終わりを告げる鐘が鳴った瞬間、教室は下品な笑い声や作ったような猫撫で声でいっぱいになった。
女子「……あの、三郎君。今日さ、」
三郎「…すみません、今日は予定があるので。」
作り笑いを浮かべて、何処に行くわけでも無いのに教室から出る。
廊下にも、低俗で低脳な奴が溢れている。……居心地が悪い。
三郎「………久し振りに屋上でも行ってみますか。」
いちにぃに貰ったピッキング用のピンをポケットから出し、屋上へと繋がる階段を登っていく。
『カチャ、カチャ、カチッ』
古びた学校の南京錠を開けるなんて、造作も無い。多分、チェスをやりながらでも出来る。
『ガチャ』
三郎「……。」
静か。その一言が似合う場所。
三郎「……A、」
ポツリと、たった一人の妹の名前を零す。
あの日、僕らは
『?!Aが居ねぇ!』
『まだそこまで遠くには逃げてないはず、』
『探してくるから、お前らは待ってろ!』
『待って、俺も行く!』
そう言って、バタバタ出て行く二人のことを見てることしか出来なかった。
まさか、僕らの事を裏切るなんて。
三郎「酷い、酷いですよ。」
また戻って来て、可愛い笑顔で『さぶにぃ』って呼んでくださいよ。
……それに、
三郎「あの家にあったプレゼントの箱と飴…」
どこかで見たような気がする。
どこかで、
どこ?
黄色い箱
飴
ぬいぐるみ
______________カチリと僕の頭の中でパズルが埋まったような気がした。
三郎「!まさか、」
もしかして、Aは
三郎「飴村乱数の所に……?」
終わり←五十人
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紫陽花 - 続き、楽しみに待っていますね (2021年1月17日 20時) (レス) id: 7d26cf7009 (このIDを非表示/違反報告)
Sss11014762(プロフ) - 続き楽しみにしていますね (2020年10月21日 15時) (レス) id: a4b3cd2d43 (このIDを非表示/違反報告)
Sss11014762(プロフ) - とっても面白かったです (2020年10月21日 15時) (レス) id: a4b3cd2d43 (このIDを非表示/違反報告)
信乃 - これってもう投稿されないんですか? こんなに面白い作品なのに (2020年5月3日 7時) (レス) id: db4fa22712 (このIDを非表示/違反報告)
月華姫(プロフ) - 初めまして!51話にて誤字報告です!最後あたり『もし【さ】して、○○は』で【か】です。此れからも応援しています(`・ω・´)bではまたっ♪ (2019年9月9日 9時) (レス) id: 8c63610ac2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴村虚数 | 作成日時:2019年7月7日 13時