68話 ページ21
フィディオくんの持ってきてくれた
鍵で家の中に入れるようになった
話を聞くと ちょくちょく 休暇が取れるたびに
こちらを訪れていたらしい
その理由までは 聞けなかったが
それを知っていた イシドシュウジが
鍵を持っていき忘れた 私たちに渡してきてくれないかと
国際電話を送ったらしい
それを聞いてわざわざ1度日本へ立ち寄りこちらにきてくれたようで
……申し訳ない気持ちでいっぱいだった
そんなフィディオくんから貰った鍵を使い
ゆっくりと開けると きぃぃっと古びた音を立てながら
埃っぽくなってしまった玄関が現れた
『……ただいま』
掃除されていなかったそこは
まるで ホラーゲームに出てくるような廃墟
お化け屋敷のようになってしまっていた
1歩踏み込んだだけで埃が舞うのが見える
不動「こりゃぁ、大変な事になってるな」
口元を抑えながら不動くんが私の1歩前に立ち
キョロキョロと辺りを見渡している
フィディオ「あれから、ずっと使われてないからね
他の所は観光スポットになってたから掃除してあるけど」
そう言ってフィディオくんも遅れて中に入ってきた
『あれ、フィディオくん用事は？』
私がそう言うと不動くんもこっちに視線を送ってきた
フィディオ「用事って言っても大した事ないし
何か探すのなら 人手が多い方がいいだろ？」
不動「こんな、汚れる事やりたいなんて 物好きだねぇ」
皮肉じみた言い方をしながら 不動くんは
腕を組み 挑発するように 笑を浮かべる
フィディオ「そんなことないよ それに久しぶりに会えたんだし、ね？」
不動「まっ、判断は Aちゃんに任せるぜ」
そう言って先に中へ消えていく不動くんの背中を見つめる
確かに人手は多い方が助かる
けど……
『…本当にいいの？』
フィディオ「あぁ！任せて」
そんな笑顔のフィディオくんを見て
思わず頷いてしまったのだった
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ゆぅ(プロフ) - 主人公に対する父親の想いに感動しました。ただの悪いやつでは無かったんですね、どこかでそっと主人公と佐久間を見守っていて欲しいなって思います。良い作品をありがとうございました！ (2022年8月2日 6時) (
レス) @page44 id: 8d8c10e4f7 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 七野颯さん» いえいえ。お節介なコメントで申し訳ありませんでした。更新おめでとうございます。 (2021年6月27日 7時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
七野颯(プロフ) - 遊星さん» コメントありがとうございます長い間お待たせ致しました (2021年6月26日 23時) (レス) id: b2b45a72b4 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか？素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2021年5月18日 22時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
七野颯(プロフ) - イナイレ好きさん» コメントありがとうございますそう言って貰え嬉しいです！ (2021年1月22日 8時) (レス) id: 44fbcbb083 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七野颯 | 作成日時：2020年5月9日 8時
