椿姫物語 5【世界一クラブ】 (ページ27)

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ガラスの靴は、割れちゃったページ27

〜No side〜

展覧会は皆が気を遣ってか
自分の仕事は来なかったし
何なら片付けとかもしない
でいいと言われ、帰り道も
一緒に歩く二人

月「きょ、今日はありがと
...えっと...楽しかった？」

咲「...えぇ、まあ」

月「そっか、ならよかった...」

沈黙。

月「(沈黙が...っ！！待って！何
話せばいいの！？クッソ、弟の
奴！！)」

理不尽である。

月「(な、何話せばいいの...！！？
ご趣味は？違う！今日は良い天気
だね？夜だわ！今度いつ会える？
何か重い！？)」

月華は汗を垂らす中で、自身
の頭脳をオーバーヒート覚悟
でフル稼働した

結論。

月「(告白、してみたり)」

月「................」

いや、それは、ダメでしょ、うん
うん、でもさ、もう、無いかも、
だからじゃん、けど、嫌われたら
、嫌だ、好きだし、

いやいやいやいやいやいやいやいや
でもでもでもでもでもでもでもでも
だけどだけどだけどだけどだけど

好きだし

咲「月華様」

月「何ッッッッッッッッ！！？」

咲「それ、やめて下さい」

月「...ぇ？」

月華は顔を上げた、王子様
は人一人分間に挟んだ様な
距離まで離れていた

咲「...散雁やコウ様から話を聞き
ました、僕は月華様のお気に入り
なんだとか」

月「いっ、いやいや！ははは
お気に入りとか...！そんな物
みたいな言い方は...」

咲「いいんです、愛玩される
動物からしてみれば誉れです
から」

月「ぇ...？」

咲「僕は人間じゃありません
月華様は、ただ惨めな僕が物
珍しいから気になっている...
...少なくとも僕はそう思って
ます」

そんな言い方しなくてもと月華は
思った、自分の想いを否定された
のもあるけどそんな自虐的な事を
言わなくても

月「...私は、そうは思わないよ
君の事をちゃんと人間として見」

咲「月華様が、
畜生(ボク)を愛せても」

咲「畜生(ボク)が、貴女を
愛せないと言っている
んです」

ぱりんぱりんと何かが割れた
それは、自分の視界だった。