退院 ページ10
怪我をしてから数日経った。
ベッドの上で目覚めた時は人生初の骨折の痛みに混乱して取り乱してしまったけれど、あれから精神的にも肉体的にも落ち着いて、今や腕も肋骨も魔法でくっついてるし吹っ飛ばされた時の擦り傷もだいぶ良くなっている。
そして、今日は退院の日。
大きなボストンバッグにタオルや歯ブラシなどの日用品を詰めてから、次はテーブルの上に並べられたお見舞いのプレゼントに目が行く。
黒の暴牛のみんながくれたお酒やメレオさんの化粧品、他にも友人や家族からもらったプレゼントが並んでる。
たった数日の入院なのにこんなにお見舞いに来てくれたなんて、自分は本当に恵まれていると感謝の気持ちで心が温まる。
そういえばユリウス様とマルクスがくれたクッキーはフエゴレオン様からいただいた紅茶と一緒に美味しくいただきました。
ヤミからもらったお酒とフエゴレオン様からもらったマグカップは割れないようにタオルで丁寧に包んで鞄にそっと入れた。
「A、準備は済んだ？」と母の声が扉の外から聞こえたので「はい、すぐ行きます！」と返事をして数日間お世話になった病室を後にした。
オーヴェン先生やお世話になった看護師さんにも挨拶を済ませ、退院の付き添いで来てくれた父と母と一緒にまだ修繕中の医療棟を出る。
千切れた雲がところどころ浮かぶ青い空を見上げると眩しくて目が眩む。
空から目線を下ろすと少し先に人が道のど真ん中で立っているのが目に入りその人物に驚く。
「メ、メレオさん！？」
仁王立ちで道を塞いでいるの彼女を見て驚いて名前を呼べば「愚弟に今日退院と聞いてな」と言って立ち尽くす私たちに近づいてきた。
そういえば手紙でフエゴレオン様に退院の日を伝えていた。彼はちょうど遠征に行っているとのことでなかなか彼と話す機会がもうけれない状態だ。
私の後ろにいる父と母も突然王族が現れて驚いているようだが「こんにちは、メレオレオナ様」ときちんと挨拶している。
のほほんとしている両親だがそういうことはちゃんとしているのだ。
「あ、社交パーティーでお会いしたことはあると思いますが、両親です」
「あぁ、ご無沙汰しています」
一応メレオさんに両親を紹介すると彼女も丁寧に挨拶をしてくれた。
「今回は私のせいでお嬢さんを怪我させてしまい申し訳ありませんでした」
メレオさんが頭を下げたので私も両親も手をあわあわとさせて慌ててそれを制止する。
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あわわ(プロフ) - 頃音様、いつもありがとうございます！長々と申し訳ないですがまだまだ続きそうです。できる限りの１日１話更新ペースで頑張っていきたいです。頃音様もお身体にお気を付けて！これからもよろしくお願いします！ (2019年11月2日 18時) (
レス) id: 7a4853944d (このIDを非表示/違反報告)
頃音(プロフ) - リアルでもお忙しいかと思いますがこちょう様のペースで出来上がっていく物語を陰ながら応援しております！最近は大分寒くなってきたようですので、お身体を崩される事もあります。お気をつけ下さい。 (2019年11月2日 7時) (レス) id: 2fb5f4f14e (このIDを非表示/違反報告)
頃音(プロフ) - 続編おめでとう御座います。前回のコメント返信でヤミさんとの関係の清算が第三章くらいで今はまだ第一章と読んでホッとしました。お話を拝読している時は終わりが近いのかと勝手に思っていたので今後も続くと知って楽しみが増していきます。→ (2019年11月2日 7時) (レス) id: 2fb5f4f14e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちょう | 作成日時：2019年11月1日 21時
