『逢わせ屋』の日常3 ページ9
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大野side
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『ん……ここ…』
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ここはどこだ？目覚めて最初に思ったのはこのこと。
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全部、真っ暗。見えるのは自分の体だけ。
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とりあえず周りを歩き回ろうとした時だった。
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「…大野さん」
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久しく聞いていない、その人の声。
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振り向こうとしても体が震えて、動けない。
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震える体を両手でぎゅっと抱きしめると、恐る恐る後ろを振り向いた。
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「か……和…」
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死んだ、死んだはずの和。
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前と変わらない笑顔で、そこに立っていた。
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「…お久しぶりです、大野さん」
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「………ぁ……っ…」
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声が、出せない。
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「……か、ず……何で…ここ、に…いるの…？」
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震える声で懸命に紡ぎだされた言葉。
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それを聞いた瞬間に和は恐ろしいほど真面目な顔をして、冷たい瞳でこちらを見た。
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「……あなたが、憎いから。あなたが死んでいれば、そこにいたのは俺だったのに」
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和の瞳に、憎しみがあふれだす。
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「ぁ……あ……」
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俺が、俺が俺が、俺がいなければ……
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和は、幸せになれた？
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「そうです、あなたが死んでいれば、俺は幸せになれた」
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追い打ちをかけるように、和が言葉を紡ぎながら俺の髪を引っ張り持ち上げた。
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「っあ……ぁ…」
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「……ま、それでもいいんです。なぜなら…」
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和がそのままぱっと手を開くと、体に力が入らずに、
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そのまま地面に倒れこんだ。
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「…みんな、俺のところにいるんだから」
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そういって、和は消えていく。
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「ゃ…か、ず……！」
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「…智、じゃあな」
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「ばいばい、大ちゃん」
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「さようなら……大野さん」
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いつもイケメンな駿太郎、
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いつも笑顔な相葉ちゃん。
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いつも、俺と一緒にいたニノ。
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「…これからずっと、あなたは一人だよ。
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…………ばいばい、永遠にね。智くん」
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翔くんが、みんなが、消えていく。
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「…ぃ、や…！待って……待ってよ…！」
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そう叫んでも、みんなは遠ざかるばかりで。
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追いかけようとしても、体が動かない。
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あぁ……、これでおれは…
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また…、一人になるんだ…
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「…と…く…！さと…ん！……智くん！」
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ラッキーアイテム
革ベルト
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智歌(プロフ) - まぁさん» 初めまして、こんにちは。返信遅くなってしまい申し訳ありません;; 公開の件ですが、何らかの処置をとりますので、もう少しお待ちください。決まりましたら逢わせ屋【神愛の章3】でお知らせいたします。 (2013年2月8日 2時) (
レス) id: e8f0ec24b6 (このIDを非表示/違反報告)
アリーナ(プロフ) - 智歌さん» あ、私あんまりおぐさん好きじゃないんです(^_^;) 今はシェアハウスがあるからぐだぐだありそうですよね( ´ ▽ ` )ﾉ (2012年9月21日 23時) (レス) id: 5227c1cf82 (このIDを非表示/違反報告)
智歌(プロフ) - アリーナさん» 遅れちゃってすいません；；嵐の宿題くんときとかの五人＆おぐさんは最高でした(*^_^*) (2012年9月18日 21時) (レス) id: 6e178a1547 (このIDを非表示/違反報告)
アリーナ(プロフ) - 智歌さん» 返事遅れてスミマセン・・・ グダグダな五人がいいですよね(*´∀｀*) (2012年9月14日 17時) (レス) id: c47445d533 (このIDを非表示/違反報告)
智歌(プロフ) - アリーナさん» はいｗｗでもそんなぐだぐだな回も見てみたいですね！！← でもやっぱり一番見たいのは、前みたいな五人のやつだったり……(笑 (2012年9月11日 17時) (レス) id: 6e178a1547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：智歌 | 作成日時：2012年8月10日 14時
