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結局私はお酒を片手にレジへ行き、
唐揚げなんか頼んじゃって
まるで昼間から飲むひと。
ダメだなぁ、なんて心で思いつつ
唐揚げのいいにおいに
早く帰って食べたくなる。
自動ドアを出ると
そこにふたりが待っていた。
「結局お酒買ったんだ?」
ばやしさんが
レジ袋から透けて見える缶を
鼻で笑った。
「昨夜みたいにならないようにね、」
「.. それは本当に反省してます」
「まぁ別に俺も嫌じゃないんだけど」
「なにがですか.. ?」
「え?ああいう風にAちゃんおぶるの」
「わあー!」
私は必死にばやしさんの口を抑える。
「んっ」
「ははっ、Aさん顔真っ赤」
そんな私を栗原くんが笑う。
だってだってだって
酔っ払って動けなくなったなんて醜態、
意地でも知られてたまるか。
「なに、今さら」
「栗原くんにとっては今さらじゃないんですっ」
「.. なんだよそれ」
急に冷たい目をされて、
思わず1歩退いた。
なんでかばやしさんは
すぐに、はっ、とした顔をして
ごめんって言ってきた。
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作者名:淡埜 | 作成日時:2019年5月11日 0時