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そんな私に転機が訪れたのは5歳の1月のこと。
五条家の坊ちゃんがそろそろ中学を卒業して高専に入学するから盛大な祝賀会を行うらしい。そこで私は初めて五条家の屋敷をまたぐことになった。
綺麗な着物を着て、髪の毛を美しくまとめて。そんな人たちで五条家は賑わっていた。私もその中の一人だけど。
幼かった私にはよくわからなかったけど、今思えば呪術界のお偉方が一堂になっていたんだと思う。
人の多さや煌びやかさに圧倒されていると
「A様、こちらです」
と生まれた時からそばにいる侍女に手を引かれ、一人の男の前に立たされた。
そう、この祝賀会の主役、五条悟だ。
「A様、五条悟様です。ご挨拶を」
私は深々と頭を下げた。
「お初にお目にかかります、五条悟様。鳴神家当主の鳴神Aと申します」
「わたくしはA様の侍女兼当主代理を務めています。
五条悟は少し驚いた顔をしたあと、「あっそう」と冷たい態度をした。
その言葉にゆっくりと顔を上げると、私の腕をつかんできて
「ついて来い」
と引っ張った。
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作者名:あわ | 作成日時:2023年12月3日 20時