期せずして愛す

Declaring(shinobu/s.,m) ページ18

──芸歴1年目でJimbochoサバイバルに合格し、晴れて神保町(ここ)の劇場所属メンバーとなってすぐの頃。

数多のぬいぐるみがある楽屋に思わず相方が「多いな、ぬいぐるみ」と失礼を承知で突っ込んでしまったことがある。
慌てて頭を下げる俺達に怒るわけでもなく、『皆私の家族なの』と紹介をしてくれた潮田さんの笑顔が今でも印象に残っている。

正直、変わった人だと思った。

気さくで人懐っこくて面倒見が良い海川兄さん、無口でミステリアスだけれど芯の強い頼れる潮田姉さん。

右も左も分からずにいた俺らの面倒を見てくれたソルティドッグさんのことを言わずもがな慕っている。いや、慕わせてもらっている、と言っても良い。


『30分経ったら起こして欲しい』、その言葉だけ残し身体を丸め目を閉じた潮田さんの姿を盗み見る。
透き通るような肌に艶やかな髪、長いまつ毛、柔らかそうな唇……いつ見ても見惚れてしまう。


「そろそろ起こすか、……」


彼女が寝返りをうった際に布団からころん、とはみ出したぬいぐるみを定位置に戻そうと腕を伸ばすと、不意に袖を引かれた。


「わ、姉さん。起きましたか」
『ん。おはよう』


ぬいぐるみを返そうとすると『その子、よく見て』と促されたためまじまじと見つめると『君にそっくりの子と出会った』と言う。


「に？……てますかね」
『似てる。みにしゃわか』
「ミニ社若」


急にずいと近づいて来た潮田さんに身体を強張らせていると、俺の衣装のリボンのボタンを外しするりとシャツから抜き取られ肩が跳ねた。


「っえ、」
『ちょっと貸してね』


ミニ社若の首にリボンを付けて『ほら、似てる』満足そうに俺に見せつける彼女に吹き出しながら、「潮田さんって、やっぱり変ですよね」と言うと、『君に言われたら、そうかも』と目を細めた。


・


しおだA(塩犬)@salt…
そっくりで見分けがつかないって言ったら怒られちゃった

［潮田にぬいぐるみを持たされる森山］


森山社若 シノブ@sawa…
似てない

［ミニ社若に頬を寄せ笑う潮田］

@
ぬいぐるみの扱い方は恋人の扱い方と同じと言いますよね🥺


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