能力 ページ8
紫色の方は崩れ落ちた銃の上に手を翳した。次の瞬間、銃はみるみる元の姿に戻っていく。
「おら」
渡された銃は、最初の頃よりもずっと軽かった。それに装填数も増えており、リロードする回数が減っていた。
「そっちの方が持ちやすくて便利やろ」
『あ、ありがとうございます……』
この人は銃器を改造できるということなのだろう。だからミリタリーな格好をしているんだ。ふと顔を見ると、痛々しい傷は真新しい気がした。
「まぁ、こんな感じで俺らは能力が使えるんや。うらたさんのも見たやろ？」
「そーそー、俺は狸になれる。この葉が頭に乗っている限りね」
うらたさんと呼ばれた男性は、頭の葉を指で指した。確かによく見れば、化け狸が使いそうな葉の形をしていた。
「なっ！俺の能力の方がスゴいし！」
そう言うと、赤髪の方は手の平を上に見せた状態で腕を前に伸ばし唸り始めた。
「おらっ！」
赤髪の方の手から、缶詰が出てきた。
『これは……』
どこかで見たことがあると思ったら、食料品売り場にあった缶詰だった。なるほど、この人の能力で缶詰が大量に無くなっていたんだ。
「どうや、スゴいやろ！俺はな、自分が覚えている場所にあるモノを持ってくることができるんや！」
「大抵忘れてるだろ」
確かに凄いけど……忘れていれば元も子もない。
「センラも見せたってよ！」
「俺はもう使っちゃったんで暫くは無理ですわ」
黄髪の方は、1度使ったら暫くは使えないらしい。日や時間でもう1度できるということなんだ。
「ねぇねぇ、Aは何が使えるん！？」
目をキラキラさせながら聞いてくる赤髪さん。正直自分に能力が有るのかもわからない。
『能力が有るかわからないんですが』
「いや、有るはず。今まで会った人はみんな持ってたからな」
そんなこと言われても。というか、この人達以外にもこの世界に人がいるんだ。
『あの、能力かわわからないんですが……。私、目が覚めたら瓦礫の下敷きになっていたんです。そこから抜け出そうとしてちょっと動いたら、瓦礫が砕けたぐらいしか心当たりはないですね』
「そういえば、俺が近づいた時何で気づいてたんだ？」
『それは、なんというか人間の匂いがしたんです』
これだけで能力と言えるのだろうか。もし、これが能力だったらみなさんより圧倒的に劣っている。
「何か能力の一部だろ。気を落とすなってA」
『落としては無いんですけど……』
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ふわ - 全然大丈夫ですよ！この小説すきので無理をなさらない程度に頑張ってください ！ (2019年1月15日 21時) (
レス) id: 6b0daac0a7 (このIDを非表示/違反報告)
桜貝(プロフ) - ふわさん» 遅くなってしまい、申し訳ありません。励みになるコメント、ありがとうごさいます。 (2019年1月15日 1時) (レス) id: 6b2a63191d (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - 好きです！頑張ってください！ (2018年12月11日 21時) (レス) id: 6b0daac0a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜貝 | 作成日時：2018年8月31日 23時
